群馬県出身の女性の彫刻家で、伝統的な仏像の制作技法である「木心乾漆」の技法を応用して日常にありふれた身近な動物、昆虫、植物、人物などをモチーフにユーモア溢れる作品を手掛けている事で知られています。
その作品は一見すると金属などの硬質なもので出来ているのかと思うほどの精緻さで、とても木彫りに見えないところが上原三千代の技術力の高さ示しており、東大寺1250年祭時の菩提僊那上人坐像の制作依頼を受け、奉納した事でも知られています。
ちなみに東大寺にはお抱えの仏師たちがいるのですが、上原三千代の技量を見込んだ東大寺が仏師たちに依頼せず、上原三千代に依頼した事は当時注目されました。
学生時代より籔内佐斗司の工房でアシスタントをつとめていた上原三千代は、日光の輪王寺護摩堂の七福神像のうち四体の制作を機に独立し、ガレリアグラフィカなどでの個展において精力的に作品を発表するようになります。
人体や動物をモチーフとした具象的な木彫表現で作品を展開していき、子供を産んだ事をきっかけに社会問題をテーマにした作品を手掛けるようになりました。
その作品もどこかユーモア溢れる作品が多く、東大寺から仏像の制作依頼を受けるとは思えないほど気さくで親しみやすい性格が作品に表れており、多くのファンの心を掴んでいます。
現在は2007年に改名し、三輪途道と名乗って個展やグループ展を中心に彫刻活動を続けています。