香川県出身の昭和~平成時代に活躍する日本の彫刻家です。
和瓦の技法を用いた黒陶と石彫の作家として知られ、モニュメンタルな作品やパブリックアートが多く、東京都庁や国立科学博物館などをはじめ全国100ヶ所を超えるパブリックアートが設置されています。
小学校5年生の時、日独伊親善図画交歓会でグランプリに輝いた実績を持ち、当時の将来の夢は画家になる事でした。
その後、徳島大学工学部を卒業し、理科教師として働いていた時、授業以外は美術教室に毎日入り浸っていました。
その教室で教えていたのが松村礼一で、そこによく遊びに来ていたのが文展や日展で入選を重ね、審査員もつとめた彫刻家・新田藤太郎でした。
そんな二人の彫刻家から手ほどきを受けた事が彫刻家を本格的に志すきっかけとなり、自宅近くにある瓦工房の土間をアトリエ代わりにして制作活動に励みました。
誰もやっていなかったものを手掛けたいと、抽象的なものを表現するために瓦を用いる事を決意し、速水史朗独自の世界観を持つ作風を生み出しました。
現在は企業などから依頼を受け、現地まで行ってイメージを膨らませてから作品制作を行っており、社会的背景を投影した作品を数多く発表しています。
東京国立近代美術館、ワシントン・ハーシュホーン美術館、ニューヨーク・エヴァーソン美術館などに作品が収蔵されており、国際的にも活躍が期待される彫刻家として注目を浴びています。