長野県出身の大正~昭和時代に活躍した日本の彫刻家です。
フランスへ留学してアントワーヌ・ブールデルに学んだ事から、初期の作風はブールデルの堅固な構成がよく見てとれます。
帰国してからの作品は浪漫的傾向が見られるようになり、自由でおおらかな独自の作風を築き上げました。
篆刻家・八幡郊処の影響を受けて彫刻家を志した武井直也は、上京して戸張孤雁に師事しました。
その後、東京美術学校に進学し、卒業後は同郷であった清水多嘉示とともにフランスへ渡り、パリを活動の拠点としました。
20世紀の彫刻のパイオニアとして有名だったアントワーヌ・ブールデルの門下となると、そこで実力を発揮し、東洋人初の塾長をつとめるまでとなりました。
こうして帰国した武井直也は、日本の彫刻界にフランスの近代彫刻の新しい風を吹き込む事に成功し、院展で活躍を見せました。
日本美術院同人に推挙されましたが翌年には脱退し、日本彫刻家協会を結成して、リーダーとして活躍を見せていましたが、腸チフスによって志半ばでこの世を去ってしまいました。
武井直也は短い彫刻家人生でしたが、残された作品は多く、大理石彫刻をよく手掛けていました。