京都府出身の日本の陶芸家で、独創的な白磁作品で知られています。
京都市律陶磁器講習所を終了すると5代・6代の清水六兵衛に師事し、陶磁器作りを学びました。
清水六兵衛は清水焼の陶工として知られ、江戸時代中期から続く名家で、代々その作風を継承する事なく、それぞれ独自の清水焼を作ってきた事で知られています。
特に5代は釉薬の研究に熱心であった事が知られており、その影響を受けて井上治男も釉薬の研究に励み、白磁を中心に制作を行うようになります。
帝展で初入選を果たすと以後、連続して入選を果たします。
戦後は日展を中心に活動を続け、数々の受賞を経て日展審査員や評議員をつとめました。
日展で作品を発表する他は、日本陶芸展や三越で個展を開催するなど精力的に作家活動を続けていました。
その中でも日本陶芸展では朝日新聞社賞を受賞するなど、その実力が認められています。
個性的な陶芸家として活躍しており、白磁作品を中心に斬新な造形と釉薬の発色による作品を展開し、皇室に作品を献上した経験もあり、関西綜合美術展、京都府・京都市美術展で審査員もつとめました。