加藤嘉明は愛知県の出身で、日本六古窯の中でも最古の歴史を持つとされている常滑焼の作家として知られています。
加藤嘉明は日本有数の焼物の産地として知られている愛知県瀬戸市で生まれています。
瀬戸市は「瀬戸物(せともの)」という呼称のルーツでもあり、市内にある鉱山では陶磁器やガラスの原料になる粘土や珪砂(けいしゃ)が産出されます。
このような恵まれた環境の中で生まれた加藤嘉明が陶芸家として活躍するのは必然だったのか後に、民芸運動の主要メンバーで人間国宝にも認定された濱田庄司に「日本の陶磁器デザインの8割を作った」と賞賛されている陶磁器デザイナーの日根野作三に師事しています。
加藤嘉明の取り組んでいる常滑焼は、原土に含まれている鉄分を赤く発色させるのが特徴的で、朱泥(しゅでい)の急須は常滑焼を代表する焼物で、使い込むほどに艶が出てくる事でも知られています。
また、常滑焼には土味を活かした製品もあれば、釉薬を施している製品もあります。
加藤嘉明は29歳の頃に独立し、42歳の頃には愛知県美浜町に明窯を築いており、日本ニュークラフト展やパリ・ロス国際陶芸展などの展覧会にて数々の賞を受賞しており加藤嘉明、独自の鮫釉は強烈なインパクトを感じる事が出来ます。
また高齢になった現在でも常に一歩先を見て活動しているそうです。
現在の常滑焼には伝統技法であり高級品にしか施されていなかった「のた絵」「龍巻」を現代風にアレンジし、幅広い年齢層をターゲットに食器類も開発しています。