岡山県出身の陶芸家で、備前焼の名手として知られ、叔父は備前焼中興の祖である金重陶陽です。
有邦は金重素山の三男として生まれ、武蔵野美術大学では彫刻科を専攻しており、現代芸術に明け暮れていました。
しかし、ある日博物館で見た古陶磁器が現代芸術よりもリアルに感じられたことで、現代芸術が納得できないという部分を感じるようになり、故郷へ戻り、陶芸家としての道を歩む事に決めました。
父親に師事しますが、父親に手ほどきを受けることもなく、父親の作陶する姿を見て陶芸の全ての事を覚え、独立してからは個展を中心に活動を続けています。
有邦がこだわっているのは土作りです。
土作りは伝統的な足で踏んで作る方法を行っており、土練機やポットミルなどの機械を使用したものと比べると焼き上がりに歴然と差が出るそうです。
また、備前の原土を粘土の色や小石の含有量などによって3種類に分類し、作品によって使い分けを行い、素朴で豊かな土味を極限まで引き出すことに力を注いでいます。
古今東西の美術品、特に朝鮮半島や中国の陶磁器、金属器にも造詣が深く、茶碗・水指・花入などの茶陶を中心に手掛けています。