神奈川県出身の陶芸家で、日本画家で有名な加山又造の長男です。
日本画を本格的に学んでいたため、絵を見せる器として高い評価受けており、その作品は絵を描くような感覚で図案的に表現したものが多く、見ているだけでも楽しめる作品を多く手掛けています。
父親は有名な日本画家でしたので、息子である哲也も必然と日本画家の道を進むと思われていました。
その証拠に多摩美術大学では日本画科で堀文子に指導を受け、卒業しています。
創画会で入選するする実力を持っていましたが、陶芸家・番浦史郎との出会いが哲也を日本画家としてではなく、陶芸家としての道に進むきっかけとなりました。
番浦史郎といえば、公募展には出品せず、個展で作品を発表しており、食を引き立たせる実用の美を追求していた事で知られています。
そのため、加山哲也の作品も皿であれば絵付けは全面に出さずに隅などに描かれていたり、使う事への配慮が感じられます。
日本橋高島屋で初めての個展を開催してから、師と同じく、百貨店の個展を中心として作品を発表しています。
加山哲也の作品は、初期には李朝の趣のある粉青沙器が人気を呼んでいましたが、近年では少年時代から好きだった昆虫や魚をモチーフにした作品が多く、工房には実際にたくさんのクワガタを飼っており、これは両親が動物好きで、常に何かしらの動物がいた事が大きく影響しているそうです。