三木表悦は三木家の当主が代々襲名している名前で、京塗師の表派の一門でありながら漆芸家としても知られ、現在は3代目となっています。
京都の漆工芸は平安時代の頃から宮廷・公家・武家・茶人などとの繋がりで成長してきた工芸品で「京漆器」や「京塗り」とも呼ばれており、正当な技法・風情を表現する「表派」の職人は数えるほどしかいないそうです。
また工芸品としてだけではなく、わび・さびの境地から茶の湯の席でも漆器が活躍するようになり、茶道具の生産量が多い事が他の漆器との違いになります。
初代・三木表悦はパリ万国博覧会で大賞を受賞し、漆工芸を躍進させた人物として知られ、2代はパリ万国博覧会での受賞の他にも京都府文化功労賞を受賞しています。
当代である3代は日本伝統工芸展、京都府工芸展、京都市美術展、京都市クラフト展で入選・入賞を果たすなど作家としても高く評価され、日本高速フェリーの「さんふらわぁⅡ」や琉球海運の「えめらるどおきなわ」などの船舶内装用の漆装飾パネル、漆画の制作を行っております。
また、3代の長男である三木啓樂(けいご)は4代を襲名するために表悦工房のデザインと製作を担当しており、企画展や個展で作品を発表しています。