佐賀県出身の陶芸家で、素朴な造りなのに豪快さを感じる事ができる独特の魅力を持つ作家として高い人気を誇っています。
自然坊は幼い頃に父親を亡くしており、母親に育てられました。
そのため、高校を卒業してからは薬品会社に勤め家計を助けていましたが、その時の上司の一言が自然坊を陶芸家への道を歩むきっかけとなり、唐津・鏡山窯の井上東也に師事して唐津の基本を学びました。
独立してからは絵唐津、斑唐津、朝鮮唐津、刷毛目など伝統的な技法を基本とした自由な作風で唐津の原点である古唐津に挑み、焼きにこだわりを持っているため年間に30回前後も窯焚きを行っています。
そのため、制作された作品の数はとても多く、個展を中心に作品を発表しています。
特に朝鮮唐津に関しては瑞々しい青色の釉薬が器の底に溜まった姿は色々な朝鮮唐津を見てきた自然坊にしか出せない風合いだと人気が高く、この作風と自然坊の人柄が多くのファンの心を掴んでいます。
しかし、陶芸家としてまだまだこれからという時に心臓肥大症という心臓が本来の13%ほどしか機能していない状態の病に倒れ、58歳という若さでこの世を去ってしまいました。
工房には酸素ボンベが残されており、亡くなる直前まで作陶に全力で挑んでいた事が分かり、闘病中に制作された作品もとても闘病中の人間が手掛けたものとは思えない、力強さと生命力を感じる作品を残しています。