楽了入は、千家十職の茶碗師として活躍している楽吉左衛門の9代目で65年という長い作陶生活をしていた人物としても知られています。
楽了入は、千家十職の茶碗師として活躍していた7代目長入の次男として生まれ、楽吉左衛門を襲名しつつも若くして病に倒れた長男の8代目得入の跡を継いで、14歳という若さで9代・楽吉左衛門を襲名しています。
また、楽了入の了入という名前は隠居した後に号した名前をいいます。
楽了入は若くして名門の看板を襲名した事でも知られていますが、長い作陶生活でも知られており、年を追うごとに作域が広くなっていると評価されています。
特に隠居後の自由な作風は楽了入自身の心情が表現されており、永い時間をかけて辿り着いた境地だといわれています。
楽了入の作品はろくろを使わず箆削りが主張しているのも楽了入の特徴で、縦横無尽に削られた箆は迷いを感じさせず、造形的であり装飾的でもある作品として近年の楽茶碗に大きな影響を与えているといわれています。