三重県松阪市で生まれた陶芸家で、万古焼窯元「松古窯」の4代目として、仁清・乾山写、阿蘭陀写、御本、伊羅保、唐津、信楽、伊賀など広い作域で多くの茶陶を制作しています。
万古焼とは萬古焼とも表記され、伊勢桑名の豪商沼波弄山(ぬなみろうざん)が元文年間に別宅があった朝日町小向に窯を築き、御庭焼として始めたものが最初とされており、松古窯はその流れを汲み、初代・信春が安政年間に開窯した伝統と歴史を持つ窯元です。
佐久間勝山は先代である佐久間芳隣の長男として生まれ、幼い頃から作陶の手ほどきを受けており、表千家13代・即中斎宗匠の御用を承っています。
また、裏千家14代淡々斎宗匠より松菱の松古印を賜るなど、茶人たちからも愛される茶陶を制作しており、書付のある作品もございます。
万古焼の伝統技法をベースとして、趣を凝らした器の形は自然から取り入れた美しさをいかした新しいデザインの作陶を行うなど、万古焼の新しい可能性に努力を惜しみませんでした。
大きな作品展に出品する事はなく、三越などの有名百貨店やサロンでの個展を中心に、茶碗をはじめ水指、鉢など実に多くの作品を発表し、5代目を息子である芳山が受け継いでいます。