山口県出身の昭和~平成時代に活躍した日本の陶芸家です。
田原陶兵衛は赤川助左衛門の系統を引く深川御用窯(深川萩)の一族として代々襲名されている名跡で、その12代目を襲名しています。
田原家の作風である温和な柔らかい肌色の釉薬を用いて素朴さ、素直さを表現した「陶兵衛萩」をよく継承し、裏千家宗匠好みのものを多く制作しました。
10代・田原陶兵衛の次男として生まれた12代・田原陶兵衛は本名を源次郎といいます。
兄がおり、兄は11代・田原陶兵衛を襲名していましたが、後継者がいなかったため、源次郎が12代・田原陶兵衛の名と家業を継承する事になりました。
戦時中はシベリア拘留など厳しい状況下を潜り抜けてきた12代・田原陶兵衛は12代を襲名する際、陶芸を基礎から学び直す事で自らの新たな才能に気付き、本格的に創作活動に取り組むようになります。
粉引や灰被りの技法に優れた12代・田原陶兵衛はその実力が認められ、山口県指定重要無形文化財に認定され、独自の高麗・朝鮮陶器の研究を重ね、伝統を守り続けながらも斬新で現代風の新たな世界観を広げていきました。