福岡県出身の陶芸家で、斑唐津に力を注いでおり、独特の雰囲気を持っているため「佐次郎唐津」とも呼ばれています。
個展を中心に作品の発表を行っており、韓国が発祥の高麗茶碗にも秀作を見せています。
また、その中でも会心の作品には自分で銘々しており、それらは自然から感じる物事からとって付けられています。
佐次郎は若い頃に禅に興味を持っていたため、陶芸と禅は結びつくものがあると感じており、独立前に越前永平寺にて得度し、法名「禅戒法月」を受けています。
また、写真を撮る事や映画を見る事が好きで、特に映画は役者がどんな衣装を着ているのか細部にまでこだわって見ていたそうで、この事からも優れた観察力と研究熱心な事がよく分かります。
水道も電気もガスも通っていない山奥で作陶を続け、自然と一体となって作陶を続けている佐次郎ですが、陶芸家になるきっかけとなったのは唐津古窯址を発掘調査中の時に見つけた一枚の小皿でした。
この小皿は幻の古陶といわれる山瀬の斑絵唐津でした。
その時に感じた感動と衝撃が忘れられず、自分の手で古唐津再現をしたいという気持ちが強くなり、人生の流れを大きく変えました。
その後、古唐津の原点である高麗茶碗にも興味を持つようになり、実業家・金泰仁の全面的な協力によって、韓国に土地と屋敷、工房を提供してもらい、念願の韓国での開窯する事ができました。
こうして、日本人陶芸家初のソウルロッテ百貨店での個展を開催し、日本のみならず韓国でも高い評価を得るようになった佐次郎は、現在でも古唐津、高麗茶碗の追求は続いており、自然を感じながら作陶を続けています。