ロイヤルダックスはチェコのテプリツェという場所で創業し、ボヘミアの名窯として知られ、チェコの最も古い陶磁器工房の一つです。
このテプリツェという場所は多くの優秀な陶磁器工場が立ち並び、ヨーロッパ有数のカオリンの産地でもありました。
そのため、ロイヤルダックスの作品は白磁器の深みのある白さと表面を覆う透き通った釉薬が特徴です。
創業当初は食器類を細々と制作している陶磁器工房でしたが、造形作家のエドゥアルド・アイヒラーによって買収された事により造形力が増します。
手本としたのはロイヤルコペンハーゲンやセーブル、ロイヤルウースターなどで、パリ万国博覧会で銀賞を受賞した事をきっかけにチェコ独自の陶磁器の制作を行うようになりました。
こうしてロイヤルダックスは細部に至るまで写実的な造形と並行して、シンプルなラインでデフォルメした作品を生み出していきました。
1900年以降のロイヤルダックスの作品にはトレードマークである三角形を冠するようになり、その後もフランス博覧会、ミラノ博覧会では銀賞を受賞し、セント・ルイス世界博覧会では最高賞のグランプリを受賞するなど世界的に注目を集めました。
動物をモチーフとした作品を多く制作しましたが、細部にまでこだわり抜いた精巧な技術力で生み出されるフィギュリンは、他の陶磁器ブランドでは真似する事ができないと称賛を浴び続けました。