いわの美術では、女性浮世絵師として明治から大正に活躍した池田蕉園が描いた掛軸をお買取り致しました。
今回お買取りした作品は、女性が櫛で髪の毛をとかしている場面を描いた作品となっています。
作品中の女性は、化粧をしていないので幼い顔つきに見えますが、とろけた目元と乱れた肌着が色っぽさを感じさせる作風へと仕上がっています。
また、池田蕉園が自ら描いた肉筆のお品物でしたので、希少価値が高く高評価でのお買取りとなりました。
浮世絵師兼日本画家でもある池田蕉園は、主に女性をモチーフとした作品を描いていて、全体的に柔らかく優しい作風が特徴となっています。
また、髪の毛やまつ毛、眉毛など毛の流れを1本1本忠実に表現している所や、体のラインをしなやかな曲線で描いているのも池田蕉園の特徴と言えます。
浮世絵師兼日本画家の池田蕉園は、小学校低学年の頃から絵を描く事が好きで、現在の漫画のような存在であった草双紙を見ながら石版に書き写したりしていました。
中学からは、女子学院で学んでいたものの学校の授業だけでは飽き足らず、学業と並行して浮世絵師の水野年方が主宰する慶斎画塾に入門し絵画を学びます。
入門した翌年には「桜狩」という作品を発表して画壇デビューを果たすなど類い稀なる才能を発揮しました。
17歳の頃、同じく慶斎画塾に入門していた浮世絵師の鏑木清方が主宰する烏合会に参加して更に技術を磨き、同じ年の第9回・第10回絵画共進会で「つみ草」と「夕暮れ」が入選を果たしました。
この年に同じく慶斎画塾に入門していた池田輝方と婚約するも他の女性と失踪してしまった事で池田蕉園は酷く落ち込み作品制作から遠ざかってしまいます。
しかし、3年後に美術研精会で復帰し「わが鳩」という作品を出品して研精賞碑を受賞し、日本画家の橋本雅邦に実力を認められました。
22歳の頃に師匠であった水野年方が亡くなり、それを機に日本画家の川合玉堂や鈴木華邨から指導を受けた事で「かえり路」や「こぞのけふ」など様々な作品を描き数多くの賞を受賞しました。
1903年に他の女性と失踪していた池田輝方が戻った事で再度結婚し、夫婦で作品制作を行っていましたが、池田蕉園は31歳という若さで結核の病に侵され、池田輝方の看病もむなしくこの世を去りました。
渓斎英泉、河鍋暁斎、月岡芳年
菱川師宣、葛飾北斎、歌川国芳
歌川広重、 小村雪岱、小早川清
蹄斎北馬、喜多川歌麿、岩佐又兵衛など
浮世絵の買取では、作家はもちろんのこと版元や状態によっても査定額が異なってきます。
作家や版元がわかる場合は、お電話で詳しい情報を頂けますと概ねの査定額をお出し出来ますし、わからない場合は、メールやLINEで画像を頂けますと査定がスムーズに行えます。
また、「有名作家の物でないと買取れないのですか?」とよく聞かれますが、そういった事ではありません。
確かに、有名作家の作品ですと多くの人から高い評価を得ているので、中古市場でも人気の部類にはなります。
しかし、現在の需要や人気の作風、大きさなどにもよって有名作家の作品であっても評価が低い事もあります。
また、中古市場の価格帯は毎日変動しておりますので、昨日人気だった作家であっても今日は評価格が下がってしまうという事も稀に起こります。
なので、もし売却を考えている浮世絵などがございましたら、一度お電話やメール・ラインでお問い合わせ頂く事をオススメ致します。
事前にお伝えした査定額でご納得頂けましたら、お品数にもよりますが出張買取などもおこなっておりますので、是非一度いわの美術までお問い合わせ下さい。