このお品物は静岡県のお客様よりお買取させていただきました。 題として記載している『雪に来てみごとな鳥の黙りゐる』とは、 大正から昭和にかけて俳人・歌人として活躍した原石鼎(はら せきてい)の 俳句『雪に来て見事な鳥のだまり居る』を題材にしたものと思われる。 他にも原石鼎の句を題材とした棟方志功の作品はあるが、 この作品はその中でもひとつ浮き上がっているものに見える。 石鼎が詠んだ句の中に登場するのは『みごとな鳥』である、 『みごとな鳥』と言い切った石鼎の真髄があるように思える。 その鳥を志功がどの様な表現するかにより、 志功はこの句からどういった物を汲み取ったのかが 推察できる。