神楽で使用される3種の横笛(神楽笛、高麗笛、龍笛)の中でも龍笛は代表格です。
龍笛は『横笛(おうてき)』、『主笛(おもぶえ)』、『笛』とも呼ばれています。
龍笛は勢いのある音色で低い音から高い音まで縦横無尽に駆け巡ることから、天と地をつなぐ龍の鳴き声に例えられていました。
日本の古典音楽である雅楽曲では、龍笛の独奏で始まることが多くとても重要な役割です。
中央アジアから中国に伝わり龍笛となり、これが日本に伝来したという説が有力で、古くは奈良時代から貴族や武将に親しまれました。
龍笛は通常2本の竹で作られ、内側は内径を調節する為に地漆を何層にも重ね、最後に朱色の漆が塗られます。
全長は約40cmで、息を吹き込む『歌口(うたぐち)』と7孔の『指孔(ゆびあな)』が特徴です。
外側に巻かれている紐状の物は桜樺や藤であり、膠(にかわ)で止め、漆で美しく固められています。
特に桜樺巻は桜の皮を細かく切った物で加工が難しく、美しく巻ける製作者が少ない為、大変貴重です。
笛の先端には頭金と呼ばれる金具がはめ込まれており、こちらの素材や細工によってはお品物の価値が更に上がります。
近年では日本文化の良さが再認識され、龍笛を始める人も増加傾向です。
初心者向けに樹脂製の安価な龍笛も出ていますが、基本をマスターした後はやはり本管の龍笛を持つことが次のステップとなります。
しかしながら、雅楽器職人も減少して本管の龍笛の入手が難しい状況です。
いわの美術ではお客様の使われなくなった龍笛を次に必要とされる方へお渡しする手伝いをさせていただきます。
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