こちらは以前、新潟県にお住まいのお客様より郵送でお買取りさせて頂きました、畦地梅太郎の木版画です。
畦地梅太郎は昭和期に活躍された版画家で、山岳風景を題材とした木版画作品を多数発表し、「山の版画家」として知られています。
当初は油彩画家を志していましたが船員や石版印刷工などの職を経て、24歳の時に内閣印刷局に就職し、仕事の空き時間に職場にある材料で版画を試みたことがきっかけで版画の道へ進みました。
版画では平塚運一や、恩地孝四郎、前川千帆らに影響を受けています。
山を題材にし始めたのは1937年の夏、仕事で訪れた軽井沢で噴煙をあげる浅間山を見て「山は生きている」と感動を覚えてからだそうです。
それから山を制作の主題に定めて山の風景を描いた作品を数多く発表し、後に山男と呼ばれるシリーズや自身の家族を題材とした作品も制作しています。
今回お買取りした作品は1957年の『助かったとり』です。
山男シリーズの作品には山男とともに雷鳥などの鳥が描かれている作品も見受けられます。