今回、いわの美術がお買取りしたお品物は、天野喜孝のシルクスクリーン「静謐」です。
家庭用TVゲームで有名なファイナルファンタジーのキャラクター・イメージデザインを手掛け、数多くの小説の挿絵や装丁も手掛けている事で有名です。
繊細で妖艶かつ幻想的な画風は欧米でも人気を博しており、ニュヨークをはじめパリや、ロンドンなど世界中で個展も開催しています。
天野喜孝は、15歳の頃にアニメーション製作会社タツノコプロダクションに入社しています。
そこで「タイムボカン」などのアニメキャラクターのデザインを手掛けていた事は意外と知られていないようです。
その世界観が買われ、舞台美術や衣装デザインも依頼されるようになり、天野喜孝の世界を築きあげました。
多くの画集を出している他、1995年にはアールビバンと版画作品の販売契約を結んでいます。
近年では、ミュージシャンやアーティストとコラボレーションした作品も多く、L`Arc-en-CielのボーカルHYDEをモチーフにした作品展や石川さゆりのCDジャケットを手掛けるなど、活動の場を広げています。
今回、お買取りした天野喜孝のシルクスクリーンはアールビバンより発行された、ファイナルファンタジー7のイメージデザインの1つです。
「静謐」とタイトルが付けられたこの作品は、その言葉の意味通り、静かで何事も落ち着いた雰囲気が、何だか時の止まったような不思議な感覚さえも覚える作品でした。