今回紹介させていただくお品物は大角幸枝による錫打出片口です。
鍛金と彫金と布目象嵌の技を取り入れた独自の作風が特徴で、金工作家として女性初の人間国宝認定(2015)を受けています。
こちらの錫打出片口はスズの特性を生かし、ひたすら打ち込まれた湾曲のカーブと端麗な槌目が美しく、まさにものづくりの極みです。
大角幸枝が金工の道に進むことになったきっかけは、東京藝術大学 在学中に様々なことに挑戦した結果、金属が一番面白かったからだそうです。
最初は金属の表面に模様を入れる彫金に取り組み 井伏圭介と桂盛行に教えを受け、次第に本体も作りたいと鍛金の関谷四郎に師事し、更に彫金の技の一つである布目象嵌の鹿島一谷からも学びました。
金工技法を深く広く修得したことから、独特の表現が生まれます。
40代で日本伝統工芸展やMOA岡田茂吉賞などの受賞を重ね、文化庁の藝術家在外研修員として1年間ロンドンに派遣されました。
そこで西洋から見た東洋文化というものを感じ、日本はいぶし銀や渋いマットな感触、金箔など色へのこだわりが強いことを認識します。
様々な金属の色を活かした作品も制作しましたが、飾りをそぎ落とし最後に残った、モノトーンと金による表現に到達しました。
そして近年、紫綬褒章受章(2010年)、重要無形文化財保持者認定(2015年)、旭日小綬章受章(2017年)を受け、国内での知名度も格段に上がります。
今の時代は作品のアイデアが飽和状態で、何でも機械で作れてしまい、AIで手作業のアナログ表現さえ可能になりつつある、と大角幸枝は言います。
時代の変化を感じながら、何かしら感動を与えたいと願いを込めて制作しているそうです。
そんな大角幸枝が生み出す作品は、深みと品格にそして温かみに溢れ、金属に命が吹き込まれたようにさえ感じさせます。
現在も展示会など積極的に活動しており、今後の活躍も目が離せない金工作家です。
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