銀器～買取査定のポイント

西洋美術・アンティーク洋食器

銀器～買取査定のポイント

ヨーロッパ文化に育まれてきた貴賓ある輝きで、アンティークコレクターに人気の高い銀器。

結婚式などでみられることもある銀食器ですが、ヨーロッパでは銀のスプーン・フォーク・ナイフといったカトラリーからティーポット、お皿や燭台など、銀器は贅沢や貴族の富の象徴として珍重されてきました。

銀器はヨーロッパでは先祖代々使い継がれていくものとして、大切にされてきました。また、一生かけて少しスプーンなどのカトラリーを少しずつ揃えるなど、ヨーロッパの人々の生活にかかせない存在です。

目利きポイントはホールマーク

イギリスの銀製品には、ティースプーンのような小さいものであっても、必ずホールマークがついています。このホールマーク制度は13世紀後半にイギリスで確立されたもので、統一の認定マークが刻印されています。

ホールマークは、銀の純度を示すスタンダードマーク、産地を示すアッセイマーク、製作年代を示すデイトレター、さらに製作者を示すメーカーズマーク、納税を示すデューティーマークが刻印されています。ホールマークをみればその銀器の情報がすべてわかるようになっており、メーカーや年代などその銀器の背景を読み解く鍵となります。

スタンダードマークの”歩くライオン”は、純度が925（92.5％）以上の「スターリングシルバー」であることを保証していることを意味しています。

産地を示すアッセイマークの”ヒョウの顔”は、ロンドン産、”錨”はバーミンガム産、”王冠”はシェフィールド産、”城”はニューキャッスル産などであることを表しています。

装飾性も銀器の魅力のひとつ

透かし細工や繊細な彫刻、ねじれた柄、シェル形のボウルなど、多彩なデザイン、装飾のスプーン類は銀器のアンティークコレクターたちに人気のアイテムです。

銀器のスプーンには、様々な種類がありますが、代表的なのがティースプーンと、キャディースプーンです。ティースプーンは、ティーカップに添える13㎝〜14㎝の長さのスプーンです。ティーキャディーは茶葉を入れる茶筒のような容器を意味し、キャディースプーンは紅茶の茶葉をその容器からすくうためのものです。

18世紀頃の貴婦人が優雅にお客様の前で茶葉をティーポットに入れる際に使っていたもので、キャディースプーンは装飾性に富み、エレガントなデザインです。茶葉をすくうために茶箱に添えられていたのがほたて貝だったことから、シェル（貝殻）のデザインのものが多くみられます。

また、お菓子に粉砂糖を振りかけるためのシュガーシフター、ジャムをとるためのジャムスプーンなど、用途に応じて多彩なスプーンがあります。装飾性があり、デザイン、種類楽しめるキャディースプーンはアンティーク初心者さんにおすすめのカトラリーです。

そのほかの銀器としてサルバという足付トレイがあります。サルバはティーセットをのせたり、手紙を置いたり、飾って眺めたりと様々な楽しみ方があります。サルバの表面には、繊細な文様が刻まれ、銀の厚みも十分あり重厚感があります。サルバの作製には職人技術を有しますが、優れたデザインが多く、コレクターが多いことでも知られます。

他のアンティークな銀器には、アイスペール、シルバーチェスト、サイレントバトラー、スキットル、マッチケース、ピネグレットケースなどがあります。

銀器～買取査定のポイント

売却・ご処分予定の銀器を買取査定に出される際は、ホールマークなど銀製品に刻印をご確認ください。SILVER、SV、SV925、925、STARLING、STARLINGSILVERといった文字が刻印されていれば、銀製品であることを示しており、いわの美術では、シルバー925（スターリングシルバー）・銀の含有量925以上の純度を持つ銀器を買取の対象とさせていただいております。