茶道では、お茶を嗜む(たしなむ)作法とともに茶室を演出する茶道具が重要な役割を担っています。そのため、茶道具は古くから取引が盛んで、時代の変遷や茶道の発展とともにその価値を高めてきました。
現在でも、茶道具は「名物」と呼ばれる由緒正しい茶道具を筆頭に、骨董品、美術品として評価され、盛んに売買が行われています。
そこで今回は、茶道具を高価買取してもらうためのコツをご紹介します。
茶道具は、茶道の歴史とともに長い年月や幾人もの所有者を経て受け継がれてきました。そのため見た目の美しさや芸術性の他、由来や伝承により茶道具の価値が変わってきます。
素人には古ぼけた道具にしか見えないものでも、由緒ある「名物」と呼ばれる茶道具の可能性があるため、しっかりと目利きのできる鑑定士に見てもらうことが大切です。
茶道具は「お茶会用」と「お稽古もの」に分けられ、茶道具の伝来や作家ものであるかが重要な査定基準になります。
「お茶会用」の茶道具には、箱に伝来を証明する書付や作家本人直筆の箱書きがあることが多く、桐の箱や黒塗りの箱に入っている茶道具は高い価値を持っている可能性があります。
「お稽古もの」と呼ばれる練習用の茶道具は、杉の箱や紙の箱に入っていることが多いようです。
茶道具といえば、茶碗や茶をかき混ぜる茶筅(ちゃせん)、釜などが思い浮かびますが、茶室を演出する茶道具は多岐に渡ります。
お茶を点てるための「点前道具」から、床の間を飾る掛け軸などの「装飾道具」。懐石料理を出すための「懐石道具」や待合や露地で使う煙草盆や火入などの「露地道具」。そしてお勝手で使う水桶などの「水屋道具」といった、茶室の前後に使用する道具までを含め、茶道具と呼ばれています。
茶道具を買い取りに出す際には、できるだけ高値をつけてもらいたいものです。
茶道具を高く買い取ってもらうためには、以下のポイントに注意してください。
多くの場合、茶道具には保管用の木箱である共箱が付いています。共箱には作家本人直筆の作家名や道具の銘、書付などが入っている場合があります。これは茶道具の価値を決める重要な要素となるため、必ず共箱に入れて査定に出しましょう。
複数の品で一式になっている茶道具は、まとめて査定に出しましょう。
懐石道具は、すべての皿や小物がそろっていないと価値が下がります。また、箱を包んでいた布や止めていた紐、箱に入っていた小物などもまとめて査定に出してください。何か1つでも欠けていれば買取価格に大きな差が出るため、買い取り前に付属品があるかどうかを確認しましょう。
査定に出す前にきれいに掃除をしておくことも大切です。道具がきれいな状態かどうかは鑑定時の印象を左右するため、できるだけ掃除をしてから査定に出しましょう。
ここで注意してほしい点は、茶道具の中にはお手入れの難しい品物もあるため丁寧に扱うことです。誤った手入れをしてしまうと、傷や色褪せによって価値を下げる可能性があります。あまり詳しくない方は、ほこりを払うか軽くぬぐう程度にしましょう。
ご自宅に古い茶道具があっても、素人では価値があるものかどうかまでは判断がつかないものです。ご自宅に価値が高い茶道具が埋もれている可能性があるため、古い茶道具を見つけた際には専門家に鑑定を依頼してみることをおすすめします。
鑑定の際には共箱や付属品の有無、道具の状態が評価に影響するため、今回ご紹介した点に気をつけてください。
「いわの美術」で