古書を処分する場合、できるだけ高く売りたいと考える方は多いはずです。しかし、買取を依頼した際の査定額が妥当であるかを判断するためには、古書の価値の決まり方を知る必要があるでしょう。ここでは、どのような本に価値があるのかをご紹介します。
一般的には、古い本であればあるほど、価値は高くなる傾向にあります。古い本は流通している数が少なく、入手が困難であるためです。
和綴じ本や古地図などの歴史的価値を持つ本や、古書画や巻物などの美術的価値を持つ本は高く評価されます。
例えば文人や歌人の蔵書印の記された蔵書本などは、希少性や付加価値から高額で取り引きされる可能性があります。
当然ながら、本の状態が良い方が基本的に価値は高くなります。
本を良い状態に保つために気を付けたいポイントが直射日光です。日光には紫外線が含まれており、直射日光に長くさらされた本は色褪せたり、紙が傷んだりします。本はできるだけ日が当たらない場所に保管するよう心掛けましょう。
湿気も本には大敵です。本を湿気が高い部屋に長期間置くことにより、本にカビが発生することもあります。本は風通しの良い場所で保管してください。
本をきれいな状態で長持ちさせるため、本を平積みにすることも避けましょう。
しかし、手に入れた当初から古い本の場合、汚れやシミが付いている場合もあります。また、どれほど気を付けていても本の劣化を完全に防ぐことは困難です。時間とともに本が傷み、本の価値が失われてしまうことを心配される方もいるでしょう。
しかし、状態が良好とはいえない本でも、場合によっては高く買取ってもらえることがあります。一度古書の買取を行っている業者に相談してみることをおすすめします。
初版本は高い価値を持っていると思われていますが、実際はどうでしょうか。
古書市場を見てみると、特定ジャンルの初版本には高い値段が付けられている場合があります。「初版は出版数が少ない」「言い回しなどの改訂が入る場合がある」などの理由から、高額で取り引きされる文芸作品の初版本も少なくありません。このようなケースでは、「初版本と重版本では違う箇所がある」ことが収集家の心をとらえ、価値を高めていると考えられます。
それでは、文芸作品以外の本の場合はどうでしょうか。文芸作品以外の本、例えば学術書や専門書の初版本が高値で買取されることは稀です。初版本よりも誤字や脱字が修正されていたり、追記があったりする新しい版の方が価値を持つためです。
また、学術書・専門書の読者は研究者や専門家などに限られるため、一般的には「古書としての価値」は低くなります。
絶版本も初版本同様、本によっては高い価値を持ちます。高い価値を持つ絶版本として、「有名作家が若い頃に出した作品」や「特定分野の技術書」などが挙げられます。このような本は出版数が少ない上、今後新たに出版される見込みも少ないため、希少性があり価値が高くなります。
ただし、絶版本は再販や文庫化などの理由で再出版された場合、価値が大きく低下してしまうこともあるため注意しましょう。
今回は古書の価値の決まり方についてご紹介しました。一般的には、「古くて状態が良い本」「出版数は少ないが、確実な需要がある本」は高値が付きやすい傾向にあります。古書を売りたいとお考えの方は、今回ご紹介したポイントを参考にしてみてください。
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