六古窯の違いの見方~常滑焼

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六古窯の違いの見方~常滑焼

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常滑焼の特徴


日本六古窯の中でも最も古い歴史を持つ常滑焼(とこなめやき)は、知多半島(愛知県)のほぼ全域に三千基以上の窯址を残していますが、その始まりは奈良・平安時代を代表する猿投の影響を受けて、十二世紀初頭とされています。


日本六古窯(にほんろっこよう):日本古来の陶磁器窯のうち、中世(平安時代末期~鎌倉時代~室町・安土桃山時代)から現在まで連綿と生産が続く代表的な六つの窯の総称で、陶磁器研究者・小山富士夫により命名されました。

中世六古窯とも呼ばれ、瀬戸窯・常滑窯・越前窯・信楽窯・丹波窯・備前窯の六窯が該当し、朝鮮半島や中国大陸から渡来した製陶方法や技術によって始められたその他の窯と区別されています。


常滑は港に近い土地、良質な粘土と豊富な燃料という土地柄から、平安時代にはすでに日本を代表する陶器の産地でした。

平安時代末期の常滑焼は、素朴でありながらも、王朝文化の名残りを持つ優美さを持つのが特徴でした。鎌倉時代になると、素朴さに加えて、力強さを感じさせる壷や甕などが主生産品としてつくられるようになり、海路を使って流通圏も日本各地に拡大されました。


常滑の陶工たちは、製品の普及とともに日本全国に招かれ、各地に陶芸技術を伝えました。しかし、戦国時代になると、織田信長により、瀬戸以外の地での禁窯令が発布され、常滑の窯業は一気に衰退しました。その後は縮小しながらも、技術を伝え続け現在に至っています。


常滑焼といえば、美しいオレンジの朱泥急須などの茶器などが思い浮かびますが、それは明治以降に始まった比較的あたらしいものです。 

常滑焼に用いられる胎土は、低火度でも固く焼き締まる性質を持ち、雑な造りの窯で焼成されてもあまり焼き損じがないという特徴を持っています。

この常滑の良質な胎土を使い、明治時代以降は土管などの建材や焼酎の甕、タイルなどが主流としてつくられ、昭和にはいると植木鉢なども生産されるようになりました。



常滑焼のみどころ


明治以前の常滑焼の固有の装飾には、壷や甕の三筋文様、肩に付された三耳、文様としての押印などがあります。


常滑焼の形状は全体的に厚造りで、粗い肌をしています。器の内側に調整された跡がなく、器底が砂底になっているのも特徴的です。

また、自然釉が器全体に流れているものが多く、野趣に富んだ景色がみどころの一つとなっており、常滑壷などは重さ・形・色味・土味・自然釉の特徴などから時代を計り知ることができます。



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