正客は事前に亭主へ挨拶を済ませておきます。
手水を入れ替えた亭主の様子を見とどけてから、手水の方へ行き手を清め、にじって茶室に入ります。
掛物と花を拝見します
風炉の季節は懐石のあとに行います。正客が亭主にお道具の拝見を所望しますので気を引き締め、ていねいに拝見します。
一汁三菜(酢の物 焼き物 煮物)八寸(山の幸、海の幸)に日本酒が供されます。
茶の懐石で酒をたしなむことは、盃が客と亭主の間を行き来する様子から「千鳥の盃」と呼ばれています。
八寸では「海のもの」といってからすみなど魚介の珍味「山のもの」はソラマメや野菜を簡素に焼いたものが供され、日中といっても閉じた茶室で自然光のみで頂く食事のため、暗い照度のなか、お酒で顔が赤らむことも気にしすぎず、味覚・嗅覚を研ぎ澄ませる食事となります。
懐石の後にお菓子が出されます。
客人はいったん寄付に戻って用を済ませ、亭主の準備が整うのを待ちます。亭主は用意が済むと銅鑼を鳴らし、後座の始まりを知らせます。
濃茶に四季折々の主菓子(上生菓子や水菓子)です。「お先に」と挨拶をしながら菓子器を回して取ります。家ごとに特注のお菓子がある派もあり、茶席もここまでくるとクライマックスになります。
薄茶に四季の干菓子です。煙草盆を拝見する流派もあります。
最後に挨拶をして、正客は亭主のお見送りのたずねを断り、客人一行は寄付に戻ってから支度し、帰路につきます。正客は茶事の後日、亭主に礼状をだします。