寺尾勝広【2016年買取・新着情報】

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新着情報

寺尾勝広

2016.2.2

寺尾勝広

寺尾勝広の絵画を拝見しますと、まるで小さなレンガを積んで建てた巨大な塔のような形が、画面全体を埋め尽くして描かれています。
端から端まで画面を埋め尽くす、線という線が束ねている画中の形は、タテの線とヨコの線が織りなすリズムの中に、三角屋根の形やアーチ状の屋根、「米」という漢字を書いた時のように枝分かれする柱のつらなりなど実にバリエーションに富んでおり、見るものを飽きさせません。

寺尾勝広(以下:寺尾)は1960年に生まれ、父親が経営する鉄工所で20年間、溶接工として勤務していました。その後、京都府で知的ハンディを持つ人々をサポートする社会福祉法人素王会が運営する「ギャラリーインカーブ」という現代アートのコマーシャルギャラリー(展覧会を企画し、作品の販売を行うギャラリー)に所属し、「アトリエインカーブ」に参加し始めました。
そこで寺尾は、もともとの生業となじみの深い「鉄骨」をモチーフにアート作品の制作を開始します。作品の画中を埋め尽くす建物のような形について寺尾は「図面」と呼んでおり、鉄骨の柱を表す直線と溶接の目印を表す記号を縦横無尽に描き続けています。その創作は目印を書き記した鉄骨製の部品を組み合わせたオブジェへと展開しています。(寺尾勝広の作品は「アトリエインカーブ」のHPよりお探しいただきますと、作品写真をご覧になれます。)

アウトサイダーアート

必ずしも美術の専門教育を受けなくとも、生来クリエイティブな性質をもち、自らの魂から湧き出るアイディアやイメージを形にする力を発揮する「アウトサイダーアート」に分類される作家には、様々な作風が見られます。
人間がもつ意識を超えて高い集中力を発揮し、おのずから作り出さずにはいられない性質を持つアウトサイダーアーティスト達の美術作品は、例えば最初に紹介した寺尾のようなモノトーンの色調・線による平面の作品のタイプの他に、カラフルな抽象画や、幾何学にこだわって描かれた風景画、粘土で細かいパーツを組み合わせて作られた焼き物の立体、切り紙のコラージュなど、アーティストが作品を作る作業そのものに没頭していたという事がダイレクトに伝わるような作品、見ている側が怖くなるくらいの勢いがある作品が多いことが特徴です。

アウトサイダーアーティストたちは最初から「アート業界」を志して美術作品の創作を始めたわけではなく、家族や周囲の人々が本人の才能を見出した例や、日常生活の中での本人の癖をプラスの方向に転じようと周囲が努力した結果が実ったケース、美術作品を作る作業に没頭する日々が最も本人にとって自然な生き方ができるという根源的な性格から始まっていることが多いのも特色です。アウトサイダーアーティスト本人は、完成した作品に対しては全く関心がない場合や、完成した作品をみて同じものを更に大量に作る衝動が涌くなど、個々人で異なった反応をとります。
この記事をお読みになられているどなたかの中に
「これからアートのコレクションを始めたい」
「ギャラリーで話を聞くことが好き」
「アートに関するボランティアをしてみたい」
というアートファンがいるならば、ぜひともアウトサイダーアートの展覧会やアトリエを「見学」という方法で訪ねてみてはいかがでしょうか?
お家に飾るのにぴったりな作品が見つかるかもしれません!

日本のアウトサイダーアートの展望

日本のアウトサイダーアートの領域では知的ハンディキャップをもつアーティストが多くおり、アーティストマネジメントも、健常者のアーティストと比較して更に本人の生活習慣と密接した形で行われています。
そして昨今は、美術館やギャラリーでのアウトサイダーアートの企画展やワークショップも各地で行われるようになり、アウトサイダーアーティストの美術作品のオリジナルからデザインした良質な雑貨やポストカードなども流通するようになりました。作業所や授産施設とは異なる方法で知的ハンディをもつ人々が能力を発揮する方法のためにアートに関心が向けられて久しく、ハンディキャップを持つ人も持たない人も実力を発揮し、協力できる社会をつくるための試みが続いています。世界ではアウトサイダーアート専門のアートフェアが存在していますが、日本ではまだアウトサイダーアートだけを売買するアートフェアはほとんど開かれていません。コンテンポラリーアートの市場で時折遭遇するということの方が、多いようです。市場の状況の変化によっては、このような熱量あるアウトサイダーアート作家の作品をお買取りできる場合があるかもしれません。
いわの美術では日本のアウトサイダーアートの元祖といわれることもあるドット模様のアートの草間彌生、細密で朗らかな切り絵を遺した山下清、ダイナミックな水彩画を生前の岡本太郎も認めたジミー大西、「アウトサイダーを超えている」との評価もあり、太古の微生物を思わせる細密描画で抽象的なドローイングを2014年の横浜トリエンナーレで発表し話題を集めた坂上チユキの作品なども出始めており、日本はアウトサイダーアートという分類にあてはめきれないほど様々な背景をもったアーティストが活躍しています。
今後さらにアウトサイダーアートをめぐる動きが活発化することで、アウトサイダーアートは美術品市場の中において欠かすことのできない分野となり、学校教育でも伝えられていく機会が増えるでしょう。
市場においては評価が安定するまで、まだ時間がかかる可能性がある日本のアウトサイダーアートですが、いわの美術ではコマーシャルギャラリーで人気の高いアウトサイダーアーティストのドローイング額や、ヘンリー・ダーガーなど世界のアウトサイダーアートを専門的に取り上げた美術書の古書においても査定をしておりますので、ぜひお品物の写真を添付したメールやお電話でお問い合わせくださいませ。

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