中山正は1927年新潟県生まれの版画家です。
1947年多摩美術大学油絵科を中退後、中山は地道な活動を国際的な舞台で続けてきました。
色面の構成、バランス、版のインクの質感すべてにおいて優れ、室内に一点かけるだけで空間をピリリと引き締められる逸品です。
女性、馬、蝶などと幾何学的な形を組み合わせた構成と、対比の美しい色彩の選び方にこだわりが現れています。
中山正は自身の創作観について語っています。
「具象も抽象も、または、それ以外の美術表現でも、二次元・三次元を問わずすべてに、ある種の<かたち>がつきまとうと思います。もしその痕跡すらないとすれば、美術の範疇を超えた表出といわねばなりません。
美術に於ける観念の定着には、古い、新しいを問わず<かたち>をぬきには、考えられないことですし、その定着行為をなすときは、作者はなんらかの<かたち>に頼らなければなりません。
仮に無形にたどりついたとしても、<かたち>の否定、肯定にかかわらずそれから逃れることは、まずあり得ないでしょう。この世界にかつて無かった<かたち>を求めて、多くの芸術家が憂身をやつすことこそ創造であり、創造とはまさにこの世に一つしかない<かたち>を探すことだと思っております。」(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑1999』阿部出版より)
このコメントから、中山は画中に配置する色面の「かたち」にとりわけ強いこだわりを見せていることが読み取れます。
中山正が好んで用いる「俊馬」のかたちの記憶を胸に、次なる「かたち」の美を追い求める旅にでてみませんか?ぜひとも過去の中山正の作品をお譲りください。
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その際に画像のような中山正直筆のサインと中山正の作品全体がわかる写真、証明書や鑑定書の有無、購入された場所といった情報を添えていただきますと、査定が比較的スムーズに進みます。
1927年:新潟県に生まれる。
1947年:多摩美術大学油絵科中退。
1957年より東京、イタリア、アメリカにて数々の個展を開催。
1959年:リトグラフ画集「ラッパ手」限定自家出版。
1962年:ミラノ滞在。
1963年:リトグラフ画集「騎士のない馬」パガーニ画廊(ミラノ)より限定出版。
1964年:ロンドン滞在。
1982年:ヘンドリックス・アート・コレクション(アメリカ)より木版画集「Tadashi Nakayama, His Life and Work」が出版される。
1989年~1993年:銀座和光にて自選展。
同時期に東京国際版画ビエンナーレ、クラコウ国際版画ビエンナーレ、ノースウエスト国際版画展、ワシントン・アートフェア、日本アンデパンダン展、前衛展・CWAJ現代版画展などに出品
2000年 個展(東京都)
2001年 第46回CWAJ現代版画展(東京アメリカンクラブ・神保町)