洋画家の進藤蕃、(本名しげる)は昭和7年、東京都生の洋画家です。
80年代に進藤蕃が中国の桂林など各地への取材旅行をして制作された一連の風景画は明快な色彩構成のうちに深い情感をたたえるものとなっており、進藤蕃の独自の資質がもっとも発揮され、質の高い絵画となりました。
南ヨーロッパの夏をイメージさせるような明るい陽光のもとでの風景画、あるいは室内の静物画を得意としています。人物の入った作品も多く遺しており、モノトーンと彩度の高い色面の構成によるモダンさが持ち味な進藤蕃の作品は人気があります。美術を学んでおられる10代の方にとっても、進藤蕃の絵画は構図づくりの参考となる事でしょう。
いわの美術では、
~【進藤蕃】の主な経歴~
昭和27年:東京芸術大学美術学部油画科に入学。
小磯良平に師事。
昭和31年:東京芸術大学を首席で卒業。
大橋賞受賞。
昭和35年:フランス政府給費留学生としてフランスに渡る。
パリのエコール・デ・ボザールにてモーリスブリアンション師事。帰国後は安井賞展に5回出品。
女子美術大学、東京芸術大学、愛知県立芸術大学などで、非常勤講師をつとめる。
昭和42年:中根寛、小松崎邦雄とともに濤々会を結成。
昭和49年:井上悟、橋本博英、大沼映夫、山川輝夫などと「黎の会」を結成。
昭和49年:東京セントラル美術館で展覧会を開催した。国内外を取材のため精力的に歩く。
昭和58年:中国の風景をテーマに、パリのグランパレ美術館 第10回FIAC展(国際現代美術展)において個展を開いた。
平成6年:「両洋の眼」展に出品、笠井誠一、福本章とともに三申会展を開催した。