いわの美術では、紙の宝石と呼ばれる蔵書票(ぞうしょひょう)の買取を行っています。
蔵書票とは、本の見返し部分に貼って、「これは私の蔵書だ」という本の持ち主を明らかにするための、いわゆる本のネームプレートのようなものです。
小さな紙片に持ち主の名前と一緒に、美しい絵や図柄の版画が描かれていて、その高い芸術性から、蔵書票自体をコレクションする人も多く、世界中にファンが存在します。
蔵書票は英語ではbookplate、国際的な用語としてはエクスリブリス(EXLIBRIS)=「だれそれの蔵書から」という意味のラテン語で呼ばれます。
日本では、明治時代に西洋の影響を受けて蔵書票が、愛好されるようなりました。
蔵書票は、紙の歴史と深く関わりがあります。中国の後漢で発明された製紙法は、シルクロードを経て、エジプト、モロッコ、スペイン、イタリアへ渡り、15世紀~16世紀にヨーロッパに広がっていきました。
当時は、本の発行数も少なく、本数冊で家が買えてしまうくらい本は価値あるもので、そんな時代背景から蔵書票が生まれました。
こうした歴史をもつ蔵書票ですが、現在では蔵書に貼って所有者を明らかするという本来の目的よりも、鑑賞や蒐集して楽しむといった方が多く、世界各国のコレクターの間で交換による交流が盛んに行われています。
蔵書票の制作技法には、エッチング、板目木版、リトグラフ、シルクスクリーン、新孔版、型染、合羽版、エングレーヴィングなど様々な版式があり、現存する世界最古の蔵書票は、1450~1470年頃の通称「ハリネズミ」といわれる木版画とされています。
古い時代は、宗教的なモチーフや天使や聖人、紋章などが多かったようです。
のちには蔵書票が庶民にも広がっていったのと同時にモチーフも多様化し、建築物やヌード、動植物など、個人の好みがそのまま反映された蔵書票が増えていきました。
日本では、大正~昭和時代に竹久夢二やバーナード・リーチなどの作家が蔵書票をつくったことにより、ブームとなったといいます。
棟方志功、武井武雄、芹沢銈介、川上澄生なども蔵書票を手掛けています。
現在では本来の目的での蔵書票はほとんど見られなくなったものの、今だに世界中にコレクターが多く存在します。 海外では国際コンペティションが頻繁に開催され、版画作家としての芸術性を評価されるチャンスの場ともなっています。
コレクション整理など、ご売却や手放してもよいとお考えの蔵書票がございましたら、是非いわの美術にご連絡ください。蔵書票の買取査定などに関するお問合せは、フリーダイヤルのお電話またはメールにて承っております。