鐔、縁頭、目貫、小柄、笄など刀装具の買取を行っているいわの美術では、江戸時代末期に活躍した後藤派の装剣金工 後藤一乗の作品買取に力を入れております。
彫金は、古来、宗教関係の金工品や、室内の飾金具や襖の取手金具、装身具、鎧や兜武具等、様々に用いられてきましたが、江戸時代には、その彫金技法は高度に発達し、中でも刀装金具は、幕府や各藩によって優秀な工人が保護されました。
優秀な装剣金工として数々の優品を生み出してきた後藤一乗も、江戸幕府に召された名工で、加納夏雄と並ぶ近代の装刀金工界を代表する巨匠と謳われた人物です。
京の名門・後藤家別派重乗の子に生まれた後藤一乗は、11歳にして後藤亀乗に彫金の技を習い、15歳で養家の家督を相続します。34歳で、僧位である法橋に叙し、その後は孝明天皇の御剣金具を制作し、その功績により法眼の位を下賜するに至ります。
後藤一乗は、小柄、笄などの小道具のほか、鍔など多く手掛け、その作品は後藤家の家彫りの伝統を継承した刀装具全般にわたっており、また、後藤家では禁じられていた鉄地の制作もしています。
後藤一乗は、絵画・俳諧・和歌などにも秀れた才能を発揮した当時一流の文化人としても知られ、はじめは家彫の作風を表しましたが、晩年には写生に転じ、花鳥や風景画などを地金を用いた細密な技法で表現した多くの作品を残しました。
後藤家の棹尾を飾る名工として知られる後藤一乗は明治9年に亡くなっていますが、明治に入り、幕藩体制が崩壊して廃刀令が発布された後も、後藤一乗を継承する優れた刀装金工や弟子達によって、芸術性の高い、新しい感覚の作品が作り続けられました。
後藤一乗の作品の刀装金具には、鐔、縁頭、目貫、小柄、笄などがありますが、中でも鐔は、単に刀装具という枠を超えた、独立した美術品として、現在に至るまで多くの美術愛好家を魅了しています。
ご家族の方がかつてコレクションされていた後藤一乗の鍔などの刀装具がございましたら、いわの美術が買取致しますので、是非ご連絡ください。