田中忠雄はキリストの画家と呼ばれ、キリスト教関係の物語を題材にした作品を残している事からこう呼ばれています。
これは戦後の占領下にあった日本を古代ローマ帝国に占領されたエルサレムに重ね合せ、聖書の主題に現代社会が抱える諸問題を見出した結果生み出されたものでした。
初期キリスト教美術、モザイク画の研究などをもとに、簡略化した形体や原色を多用した鮮やかな色調を見せ、時には一点透視図法を無視した空間構成を持つ物語性豊かな作品を展開しています。
田中忠雄のこれらの取り組みはキリスト教美術の発展に大きく影響を与え、多大なる功績を残す事になりました。
田中忠雄は札幌組合基督教会(現・北光教会)の初代牧師をつとめた父親から洗礼を受けており、父が神戸女子神学校教頭・兵庫教会牧師になったため一家で神戸に転居しました。
田中忠雄が初めて油彩画の世界に触れたのは、有島武郎が主宰する黒百合会の展覧会を見た時で、俣野第三郎、第四郎と交友をした事がきっかけで絵画に興味を持ち、有島武郎に指導を受けました。
その後、京都高等工芸学校図案科に入学しましたが、油彩画への思いは捨てる事ができず、独学で油彩画の道を進み、卒業後は上京して本郷絵画研究所に通いました。
その一方で東京市技手として都市計画に携わっていましたが、画業に専念するために東京市技手を辞め、様々な美術展に出品を重ね、二科会会員として活躍するまでになります。
また、フランスへ絵の勉強のために留学しており、アカデミー・ドラ・グラン・ショーミエールに通い、ルーブル美術館で模写を行う事で技量を高めていきました。
スペイン、オランダ、ベルギーなどにも赴き、その時に描いた作品は労働者を描いたものが多く、二科展に特別出品しています。
多くの作品を残した田中忠雄の作品は中古市場でも高値で取引されているものも多く、いわの美術でも買取を強化している作家の一人です。
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田中忠雄の作品は油彩画中心で、キャンバスの裏には作品タイトルと作家名が書かれている事が多いのが特徴です。
額装されている場合、直接キャンバスの裏を見る事はできませんので、額から外してもらえれば確認する事ができるかと思います。
作品のモチーフはキリスト教を題材にしたもの以外にもヨーロッパ滞在中の各地の風景や日本の山岳風景、バラなどが多く、モチーフや作品の大きさによって買取額は変わってきます。
お問合せの際は、作品のモチーフ(タイトルが分かればタイトル名)、大きさ、入手経路などをお伝え頂くと査定がスムーズに進みます。
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