世界最高級のドイツ筆記具メーカーファーバーカステル faber castellは、世界で初めて鉛筆を製造したことで知られる老舗です。
ファーバーカステルは、1761年カスパー・ファーバーが、ドイツ・ニュールンベルグ郊外のシュタインで鉛筆の製造を開始したのがはじまりです。今では鉛筆の常識となっている六角形デザインや鉛筆の芯の高度の基準など、現在の鉛筆の基礎を築き上げたのがファーバーカステルです。
フィンセント・ファン・ゴッホをはじめとした著名な画家や文豪、ファッションや建築・デザインに携わるプロなどファンも多く、鉛筆だけでなく、プロ用途の描画材、筆記具、高級筆記具までを網羅するラインナップで、世界120ヶ国以上で幅広い世代に愛用されています。
代々伯爵家によって経営されているファーバーカステルの代表的な万年筆シリーズに「伯爵コレクション」があります。「伯爵コレクション」は、厳選された高級木材を使用し、職人が緻密な作業を重ねてハンドメイドで完成されたコレクションですが、その頂点ともいえるシリーズが、2003年からスタートしたペン・オブ・ザ・イヤーPen of the yearです。
ファーバーカステルのペン・オブ・ザ・イヤーは、伯爵コレクションの中でも、 さらに稀少な最高品質の素材を使用した万年筆シリーズで、2003年から毎年、限定生産されています。
ペン・オブ・ザ・イヤーの最大の特徴は、入手困難な稀少な素材を用いた限定万年筆というだけではなく、その素材の加工方法にもクラフトマンシップを活かした個性が表現され、一本一本が非常に丁寧に仕上げられています。
ファーバーカステルのペン・オブ・ザ・イヤーのボディーは、毎年厳選され、異なった素材が使われますが、重厚感のあるキャップと極細のボディーというペンの形状は、2003年以降、毎年共通するという一貫したコンセプトに基づいたシリーズとなっています。また、ペンケースの形状も毎年同じものが踏襲されています。
スネークウッド(Snakewood)はブラジル、南アメリカ、中央アフリカを原産とする最高級木材で、蛇柄模様が特徴です。
スネークウッドは非常に密度が高く、硬質であるため、加工は非常に困難ですが、素材としての稀少性と価値は木材の中で群を抜いて高いものと評価されています。
スネークウッドは蛇のウロコのような柄の模様が均一に入っているもののほうが稀少性が高く、鮮明な柄の入ったスネークウッド素材を使った最高級のステッキは、“ステッキのロールスロイス”とまでいわれ、100万円を超えるものも珍しくないそうです。
「木の宝石」とも表現されるスネークウッド素材を使ったファーバーカステルの2003年限定品のスネークウッドですが、2004年以降に発売されたその他のペン・オブ・ザ・イヤーの万年筆とは異なり、シリアルナンバーが存在しません。
スネークウッドという素材自体の入手が非常に困難であり、また蛇柄が鮮明に浮き出ているものは極めて少ない稀少品です。蛇柄の浮き出ている部分も、ひとつとして全く同じものはない唯一無二の万年筆ということで、ファーバーカステルの2003年限定万年筆スネークウッドは、市場にもあまり出回らない価値の高いものとなっています。