土屋光逸(つちやこういつ)は新版画<伝統的な浮世絵の復興と新たな技法を取り入れた版画>の確立のために、川瀬巴水らと共に活躍した版画家です。
土屋光逸は明治3年(1870年)に静岡県の浜松市の農家に生まれます。14歳で上京した土屋光逸は、一度寺に入りますが、住職から向いていないと言われ坊主を辞め、紆余曲折を経て、『明治の広重』と呼ばれた小林清親の門に入り版画を学び始めます。
水面に映りこむ光の描き方や、影と光の移ろいが美しい作品が多く、中古市場でも人気のある作家で、高値での買取が期待できます。
只今、いわの美術では土屋光逸の木版画の買取を積極的に行っています。
川瀬巴水のドラマティックな構図に比べて、土屋光逸は人々の日常の情景を描いています。同年代に活躍した二人はしばしば比較し評価されていますが、土屋光逸は、川瀬巴水のように知名度はあまり高くありません。戦時下でなかなか描けなかったことや、師匠の身の回りの世話などに手がかかり、土屋光逸は58歳になるまで本格的な版画制作を行っていませんでした。そのため、同年代に活躍した作家たちと比べて少ない作品数しか世に出ていません。例えば、川瀬巴水の出版数が780点なのに対して、土屋光逸は135点と非常に少ないです。実力に反して彼の名前が知られていないのはそのためだと考えられます。
しかし、先ほども触れたように実力は、同時代の版画家に劣っていないでしょう。土屋光逸の作品の一つに『牛込神楽坂』という作品があります。雨が降って濡れた路地を、傘を差した女性が行き交う風景。提灯の優しい光が雨の溜まった水面に反射しているのが、情緒豊かで夜の東京の色気を感じる作品です。他にもたくさん魅力的な作品を残している土屋光逸ですが、『明石の浜』『雪の堅田浮見堂』を始めとした 10点が東京国立近代美術館に収蔵されています。
土屋光逸は、主に芝増上寺、神楽坂、銀座など東京の風景を描いています。高値でのお買取りが期待できる土屋光逸の木版画ですが、描かれているものによってお値段に差がございます。もしお手元に土屋光逸の木版画がございましたら、タイトルなどお伝えください。
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