薄暗い靄がかかったような中でうっすらと浮かぶ赤色が目を引く椿の絵。
こちらの作品は『椿』という掛軸で、日本画家の大野逸男によって描かれたものです。
只今、いわの美術では大野逸男の日本画の買取を積極的に行っております。
大野逸男は、昭和16年(1941)生まれで埼玉県出身の作家です。日本美術院展覧会で何度も受賞をするという実績、実力があります。大野逸男の日本画は、中古市場でも大変人気が高く、高値で取引されています。
彼の師は、奥村土牛や小倉遊亀と共に、最年少で日本美術院の最高位に推挙された、田中青坪です。浮かび出るような光の描き方は師である田中青坪の影響を強く受けているように思います。
また、大野逸男にはもう一人福王寺法林という師がいました。二人の師から教えを受け、数多くの賞を受賞し、2008年には師と同じ日本美術院の最高位に推挙されました。
最近では、今年の2月に『信仰の道』という作品で文部科学大臣賞を受賞しました。山林の中にお堂に繋がる石段が奥につづいている作品です。林に囲まれた部分の暗さと、山林を抜けた先の明るさが、互いの明暗を強調しているように見えて厳かな雰囲気が漂う作品です。
大野逸男は日本美術院を中心に活動していますが、日本橋三越などを始めとした、百貨店などでも数多く個展を行っていて、知名度も高い作家です。
大野逸男は、風景画や花や鳥などを主に描いています。どれも日本画ですが、中にはフィレンツェの風景を描いたものや、『レモンなど』という作品のような洋画に近い作品もあります。
高価買取が期待出来る大野逸男の日本画ですが、その中でも特に花や富士が描かれている作品が、中古市場で人気があります。
ただし、中古市場で人気の品物でも思う程お値段がつかない場合がございます。例えば、掛軸であれば大切に保管していても、どうしてもシミやカビがあることがあります。そういった保存状態は査定評価にマイナスになってしまいます。また、反対に箱や栞などの付属品があると査定評価がプラスになります。
もし、お手元に大野逸男の日本画がございましたら、専門の査定員のいる、いわの美術までご連絡下さい。