こちらの作品は真道黎明の日本画『鶴』です。
越冬のため冷たい空気の中、住み良い土地を求め渡る鶴の躍動感を感じる作品です。
真道黎明(1897~1978)は、熊本出身の日本の画家で、1975年の院展出品作「壺」では内閣総理大臣賞を受賞している作家で、中古市場でも人気が高く高価買取が期待できます。
中学を卒業した後、1969年に上京。
当初、洋画を学んでいましたが、18歳のときに菱田春草に感銘を受け日本画に転向。
1915年に日本美術院に参加し、日本画を学びます。
後に昭和を代表する日本画家となる堅山南風や、近代絵画の巨匠と呼び声高い横山大観らに師事し、主に院展で作品を発表し続けました。
東洋美術研究、日本古美術研究に努め、後に中国、朝鮮に渡り学び知見を広めました。
さらに、昭和4年には欧米で個展を開きました。
真道黎明は初期の主なモチーフとして花鳥画を描いていました。
繊細な描写と優雅で気品漂う画風で高く評価され、内閣総理大臣賞受賞。
代表作に「春日山」、「埃及幻想」、「藐姑射の神入」などがあげられます。
真道黎明の作品では、主に朦朧体という主線を描かずモチーフに直接色彩をのせ描く技法で描かれています。
この技法は明治後期に堅山南風や菱田春草らが、西洋絵画の空間描写を日本画に取り入れるために研究を重ね編み出しました。当時は墨線で主線を描くことが日本画伝統の技法であったため、朦朧体は酷評されました。そのような時代であっても朦朧体で描いた真道黎明は、師である堅山南風や尊敬する菱田春草らの影響を強く受けていることがうかがえます。
真道黎明の作品のモチーフは、鶴や兎などの動物、芍薬や桃など花を中心とした物が多いですが、人物画や風景画も描いています。
中古市場ではモチーフによってお買取りの際のお値段に多少開きがでてしまいます。
真道黎明の掛け軸ですと、鶴や花をモチーフにしたものが比較的高値での買取が期待できます。
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その際には、タイトルやモチーフなどお品物の詳細をお教えいただけますとスムーズに査定が進みます。点数や作品にも無料で出張買取いたしますのでお気軽にご連絡ください。