岩下尊弘の『雪の川原』
静かな川を挟み、柔らかく降り積もった雪野原が広がっている風景画です。
しんとした空気の中にも陽だまりの下にいるかのような温かみを感じる岩下尊弘の油絵は中古市場で人気があります。
そのため、いわの美術でも高価買取が期待できます。
高度経済成長が一転、オイルショックが起こるなど経済の転換期を迎え人々が混乱に陥っていた昭和52年、当時45歳だった岩下は会社を辞め、画家へと転身しました。
芸術に学歴も年齢を関係ないとはいえ、45歳という年齢と、経済が不安定な中というのもあり周囲の人々は反対の声を上げました。
しかし、そんな中で唯一支持してくれた人がいたのです。
それは柏崎市の週刊「越後タイムス」主幹であった吉田昭一さんです。
「必ず毎年個展を開く」という約束を条件に吉田さんは岩下の相談に賛成しました。
岩下はこの約束を守り続け、毎年個展を開催。そして、美術誌では「雪を描かせたら右に出る者はいない」と言わしめるほどとなりました。
「原点は雪だ」
岩下尊弘の作品には雪をモチーフにした作品が多い。
岩下の雪は冷たくやさしい光をうけ不思議なぬくもりを帯びています。
画業を始めて5年が経った頃、岩下はアトリエを新潟県の中越地方と上越地方との境に位置する米山の山麓に移し、雪と米山をモチーフに描き続けてきました。
冒頭で紹介した『雪の川原』のような穏やかな絵を描く一方で、
新潟県近代美術館にも所蔵されている大作『地吹雪』では深い青で表現された闇に吹雪が吹きすさぶ、厳粛な雰囲気の作品も描いています。
多様な表現描写を通して雪にこだわり続けた岩下は、
「雪か水がなければ何も始まらない」と語ります。
足の埋まるような豪雪にも、氷雪交じりの冷たい風にも負けず、雪への情熱をかけた続けた結果、情感溢れる作風となって表れているのでしょう。
岩下尊弘は雪の他にも風景画を同じ作家でも作品によって価格が変動します。
岩下の作品には木をモチーフにしたものなど他のモチーフの風景画もございますが、やはり象徴的な雪のモチーフの作品の人気が高く、高価買取が期待できます。
また、弊社では油絵以外にも日本画や版画、茶道具やお着物まで買取致しております。
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