傅益瑶 作『蘇州水郷』
中国、江蘇省南部の観光都市であり呉時代の都であった蘇州の川のほとりの村を描いた作品。
ダイナミックなタッチで雄大な自然とと水郷で暮らす人々の生活を描いています。
傅益瑶(ふ えきよう)は、1947年中国の南京に生まれる。
父は中国近代水墨画の巨匠である傅抱石(ふ ほうせき)です。
傅抱石は北京の人民大会堂の壁画を描くなど中国国内で高く評価されていましたが、1965年に文化大革命が起り一変。
黒い物は悪しき物とみなされ水墨画は迫害されてしまいました。
さらに文化・芸術の消滅の危機の中で父・傅抱石が亡くなってしまい、傅益瑶も反乱因子とみなされ中国南西部の農村に追いやられました。
過酷な生活ではありましたが豊かな自然に創作意欲は掻き立てられ、父のような水墨画となることを決意しました。
1980年に武蔵野美術大学に留学。同大学卒業後に東京藝術大学に入学し、平山郁夫に師事。
この出会いをきっかけに、傅益瑶は日本の仏教芸術に関心を抱き始め、熱心に仏教美術を研究していた最中、ある転機が訪れます。
1988年、天台宗総本山である比叡山開山1200年を記念して、横浜市の安禅院円満寺の大本堂に『比叡山延暦寺』と『天台山国清寺』の大壁画を描き上げました。
この二つの大作は日本美術界・日本仏教界双方から高く評価され、傅益瑶は一躍その名を上げました。
そして二度目の転機となったのは、「祭り」との出会いでした。
傅益瑶は、日本各地の伝統的な祭りの力強さや人々の熱量に感銘を受け自身の代名詞ともいえる「祭りの水墨画」を描くようになりました。
依頼、各地に赴き祭りに積極的に参加し自身の体でそのエネルギーや動きを感じ取ることで傅益瑶の特徴的なダイナミックな表現が生まれ、情感溢れる力強い作風で人気を博しています。
1995年には「神道文化奨励賞」を外国人画家として初めて受賞するなど、祭りの画家として広く知られるようになります。
傅益瑶は中国水墨画に日本画の技法を取り入れるという、彼女特有の表現法で見る者の心に迫るようなインパクトを与えます。
そして「日本の祭り」を描き続けてきた傅益瑶は、「中国の祭り」を手掛けることとなります。2015年「無形文化遺産“端午の節句”を絵画に制作するプロジェクト」で「端午頌」という中国の祭りを題材にした大作を完成させ、この作品は多くのメディアで取り上げられ話題になりました。
傅益瑶は2016年には中国国内で最高レベルの文化の盛典で、10人の最高貢献者の1人として選ばれ、また日本ではNHK「日曜美術館」で特集されるなど大きく注目されています。
中国や日本で高い評価を得ている傅益瑶の水墨画は高価買取が見込めます。
中でも山水画や祭りなどのモチーフの作品が、他モチーフの作品よりも中古市場では人気が高く需要が見込めます。
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