洗練された現代的なデザインが印象的なこちらの水滴は山本晃が昭和63年 第18回伝統工芸日本金工展で奨励賞を獲得した「春麗」です。
山本晃は重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された日本を代表する彫金師で、「切嵌象嵌」や「接ぎ合わせ」といった独自の技法により、他に類を見ない細密な装飾を施すことで知られています。
素晴らしい作品の数々で日本伝統工芸展など名誉ある賞を数多く受賞してきた山本晃についてご紹介します。
山本晃は昭和19年、山口県に生まれた彫金師です。
高校卒業後、一度は東京の音響メーカーに勤めるも工業デザイナーに憧れ、21歳のときに退職します。その後、東京デザイナー学院工芸工業デザイン科を卒業後、独学で彫金技術を学びます。制作活動の傍ら宝飾品のデザインや山口芸術短期大学で教鞭を執り収入を得ましたが、52歳で退職し金工の道に専念しました。活発な制作活動が評価され2014年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。
山本の作品は、金工の装飾的特色の一つである多彩な色金を用いて、動植物や四季の風景などを金属板をデザインに合わせて切り取り、別の色彩の金属板を嵌め込む「切嵌象嵌」と、異なる素材の金属同士を合わせる「接合せ」など独自の技法から成る繊細なデザインで知られています。
また、金属の重厚感を生かした豊かな色彩表現も特徴的です。
山本晃は日本伝統工芸展等で受賞を重ねるなど高い評価を得ており、独自の高度な技術で動植物や四季の風景などのモチーフを金属独自の重厚な色彩を生かした現代的な作風が高い評価を得ています。その作品は水滴の他にも香箱や花器なども多く発表しています。
金工品は、劣化が進んでいることが多くくすんでいる場合もあるかとは思いますが、査定する前にご自身で磨かれますとお品物を傷つけてしまうこともございますのでそのままの状態で保管されることをおすすめいたします。
現在山本晃の作品をお持ちでご売却を検討中のお客様がいらっしゃいましたら、いわの美術までご連絡ください。専門の査定員が無料で査定いたします。
お問い合わせ頂いた際には、作家名・作品名・大きさ・状態など詳細をお伝えいただけますと、スムーズにご案内できます。