こちらは、昨年に生誕150周年を記念して展覧会が行われ、再び注目を集めている中村不折(なかむらふせつ)の作品です。
中村不折は、幕末から昭和にかけて活躍した作家で、日本画・油彩・書などの作品を残しています。
夏目漱石の『吾輩は猫である』の挿絵を描いたことで有名な作家でもあります。
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中村不折は、当時の人々が身に着けるべき教養である、漢文や芸術のすべてに精通していました。
そのため、多くの師から教えを受けていました。また、文豪との親交もあり書籍の挿絵作品も多く残されています。
時代:1866年~1943年
《主な師》
小山正太郎(洋画家)…絵画を本格的に学び土台をつくる
ジャン=ポール・ローランス…人物画と写実的描写力を学ぶ
《中村不折・少年期の師》
北原安定(漢籍)、真壁雲卿(南画)、白鳥拙庵(書)
《交友関係》
森鴎外、夏目漱石、正岡子規、島崎藤村、伊藤左千夫 など
中村不折は、幼少期から絵を描いたり字を書くことが好きで、将来は学問や芸術の道に進むと決めていました。しかし、明治維新の影響で父が職を失い貧しかったため、15歳で商人として働かなければなりませんでした。それでも諦めずになんとかして学びのための時間を捻出したそうです。
その後、上京し小山正太郎のもとで本格的に絵を学び始め、その頃に描いた素描などは、中村不折が設立した書道博物館に所蔵されています。
さらに絵画を極めるためフランスに留学し、アカデミー・ジュリアン*へ入学します。そこでジャン=ポール・ローランスに人物画を徹底して教え込まれ、ますます力をつけていきました。帰国後は開花した才能を存分に発揮し、文展・帝展を中心に毎年のように出品します。
昭和14年に行われた、第35回太平洋展に素描や油絵を計65点を回顧陳列しました。そのうちの『賺蘭亭図』は文部省のお買い上げになりました。
*フランスの私立美術学校で、仏画家のアンリ・マティス、洋画家の安井曾太郎、彫刻家の高村光太郎なども在籍していた。
<主要作品>
『猗器の誡』『廓然無聖』『裸婦立像』『眺望』『老人坐像』 など
<日本画・水墨画>
掛軸、屏風の作品などがあり、山水図を多く描いています。フランスでの留学で培った、空間把握・描写力が光る作品が多いです。また一本一本の線に無駄がなく柔らかな筆づかいが魅力的です。
<油絵>
歴史・偉人などのエピソードを題材とした大作などが有名です。
バロック期の絵画を思わせる、明暗法を用いているものが多々あります。
例えば『憐れむべし自宅の写生』という作品にその明暗法が見受けられます。暗い部屋の奥からランプの光がぼんやりと周囲のみを照らしている絵で、吸い込まれそうな不思議な魅力を持っています。
<書>
楷書と隷書を融合させた字体や、揺らした線など変化が豊な書で、中村不折独自のスタイルを作っていきました。それは、多くの文豪から好まれ、度々執筆の依頼を受けていました。
森鴎外からは、墓に刻む字の依頼まで受けた程です。
中村不折は中古市場で人気の作家です。先ほども紹介したように、中村不折の作品には、日本画・水墨画・油絵・書とさまざまなものがあります。どれもお買取りの対象ですが、その中でも、山水画の掛軸が中古市場では人気が高く高価買取が期待できます。
掛軸の作品であれば、題名/描かれているもの、共箱の有無などが査定のポイントです。
「家の片づけをしていたら古い掛軸が出てきた!!」という方、もしかしたらそれが高価なものかもしれませんよ。
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