こちらは、以前弊社でお買取りさせて頂いた、第19回日本伝統工芸展出品された松田権六の『芽生』という作品です。松田権六は、昭和30年(1955)に人間国宝認定された漆芸界の巨匠です。加賀蒔絵の伝統と松田権六の高い芸術性が見られる美しい作品です。
名実共に高い評価を得ている松田権六の漆器は中古市場でも人気があり、高価買取が期待できます。ご売却をお考えの方は、ぜひ、いわの美術にご連絡ください。
松田権六は明治29年(1896)に石川県の金沢市に生まれ、7歳の頃から仏師職人の兄孝作について蒔絵の修行を始めます。石川県立工業高校を卒業後は、東京美術学校の漆工科へ入学します。東京美術学校を卒業後はいったん陸軍に入隊しますが、25歳の時に除隊し、朝鮮楽浪遺跡の出土漆遺品の修理に携わります。1925年松田権六が29歳の時に株式会社並木製作所へ入社し職人として、漆工加飾品を制作していきます。
約2年後には並木製作所を退職し、顧問となります。また同時に東京美術学校助教授に就任します。
日展に第11回まで出品を続けますが、日展の創作漆芸に馴染めず離れていきます。その後は、社団法人日本工芸会を創立し、日本伝統工芸展を中心に作品の発表をしていきます。
<松田権六の代表作>
『蓬莱之棚』
第二次世界大戦中に制作されたもので、遺作となる覚悟で臨んだ作品。現在石川県立美術館に所蔵されていますが、所有者から1億円で購入したとされています。
『鶴蒔絵硯箱』
昭和25年に第6回日展に出品された作品。
松田権六は東京美術学校在学中に多くの先人に出会い教えを受けました。日本の漆工芸界の草分け的存在の六角紫水の家に書生として入ったり、彫刻を高村光雲、油絵を洋画家の岡田三郎助、和文様を紋様学者であり画家の小場恒吉に習うなど、芸術のあらゆる分野を学んでいきました。また、松田権六は、日本・中国漆芸の古典技法についても熱心に研究しました。特に、25歳の時に出会った朝鮮の楽浪遺跡は、松田権六の独自の漆芸技術の確立に大きな影響を与えました。古典から多くを学んだ松田権六は、意匠や紋様などの外的様式のみならず、技法から素材の選定までにこだわるようになっていきました。
松田権六の作品は、中古市場で人気が高く高価買取が期待できます。松田権六は、写真にあるような漆椀から飾箱、硯箱、盆、棗、香合、万年筆など様々な作品を作っています。
漆工芸のご売却で注意が必要なのは、カケやスレなどの状態です。せっかく高価買取が期待できるお品物であっても、状態が悪いと査定評価がマイナスになってしまいます。ご売却までは、大切に保管しておくことをおすすめ致します。
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