森一鳳は江戸後期に活躍した大阪の絵師です。写実的で情緒豊かな動物画を得意としていました。こちらの作品はその森一鳳が描いた『小原女』という作品です。茶や芸術、商いが盛んであった大阪の人々の生活を垣間見ることが出来ます。森一鳳の作品は、芸術性の高さに加え骨董的価値があるため高価買取させて頂きました。
いわの美術では、こうした江戸時代の絵師たちの作品のお買取りもしております。蔵や家の御片付けをしていて古い掛軸がたくさん出てきたという方は、もしかしたらそこにお宝が眠っているかもしれません。ぜひ、いわの美術にご連絡ください。
時代:1798~1871年
名は敬之、字は子交
号:一鳳
養祖父:森狙仙
養父:森徹山(円山応挙の高弟)
森一鳳の作品で有名なのが、『藻刈舟図』です。藻刈→もかり→もーかり→儲かるとなり、”儲かる一鳳”とも呼ばれていました。商いが盛んであった大坂において、森一鳳の『藻刈舟図』は商売繁盛につながる縁起の良いものとして大変な人気がありました。こうした大坂町人からの人気が高くありましたが、後に肥後藩の藩主のお抱え絵師となり、御所の襖を手掛けたこともありました。
養祖父・養父は、いずれも写生を重視した絵師で、森派と呼ばれ、江戸時代後期の大坂で活躍をしていました。森一鳳もその流れを受け継いでいます。森一鳳については不明な点が多いですが、当時の人気絵師の番付では前頭の上位の方に記載があったことがわかっています。
森一鳳の名が知られるようになったのは、1830年代の天保年間のはじめのころで、1850年頃には大坂画壇での地位を築いてきます。
府中市美術館で開催された『かわいい江戸絵画』と題された企画展で、多くの江戸時代の絵師のうちの一人として、森一鳳の絵が紹介されたことなどはありましたが、森一鳳の作品を単独で展示するということはあまりありませんでした。2011年になって初めて、森一鳳の作品のみを展示した企画展が大阪の美術館で開催され、それを機に認知度が高まっています。また、アメリカのボストン美術館やブルックリン美術館など日本以外の美術館にも所蔵されていて、海外での人気もあるようです。
現代における知名度は、他の森派の絵師に比べて高くないようですが、2011年の森一鳳の単独の企画展が開催されたことをきっかけに徐々に認知されてきています。森派の中で、森狙仙や森徹山程の知名度はないものの、現在の美術史家の中では、森一鳳の作品が森徹山よりも優れていたと高く評価するものもいます。こういった理由などから、森一鳳の作品は人気が高く高価買取が期待できます。
森一鳳の師匠である養父の森徹山は円山応挙に教えを受けていたので写生を重視した製作姿勢でした。森派は一貫して身近な動物を写実的に描いた作品が多くみられ、森一鳳は同じく動物描写を得意としていましたが、より抒情的な要素が強いのが特徴として挙げられます。
只今いわの美術では森一鳳の作品のお買取りを積極的に行っております。ご売却をお考えの方はいわの美術にご連絡ください。
森一鳳は、動物を題材とした作品の他に、美人画、花鳥図なども描いていました。どれも弊社でお買取りの対象となるお品物です。しかし、古い時代の作家によくあることですが、真贋の判断が必要なものですので、そちらは注意していただく必要がございます。
もし、古い掛軸が出てきて”一鳳”と書いてあれば、ご相談からでも結構ですので、ぜひ、いわの美術にご連絡ください。