今年の夏も猛暑が続き、蝉の声が余計に暑さを増しているように感じます。涼しさ感じるコオロギや鈴虫が鳴き始める秋が待ち遠しいです。
今回いわの美術がお買取りしたのは、その虫たちをいれて楽しむための虫籠です。骨董品・美術品買取店が虫籠?と思った方もいらっしゃるでしょう。
実は、日本は昔から虫の声を楽しむという風習があり、それと共に美しい虫籠が数々生み出されてきました。蒔絵が施されたものや時代物の虫籠は、骨董的にも美術的にも価値が高く高価買取が期待できるお品物なのです。
古い家を取り壊す際に掲載している写真のような虫籠がございましたら、処分してしまう前に一度いわの美術にご連絡ください。
虫の声を楽しむという文化は古くからあり、それに伴って虫籠も美しい装飾品として成立していったと考えられます。清少納言の『枕草子』や源氏物語などの和歌で虫の鳴き声を題材とした風流な詩が謳われています。現在でも虫の鳴き声は俳句の季語として使われていますね。
写真の虫籠は、猫脚タイプでこうした虫籠は江戸時代の人々に寵愛されました。江戸時代には、大和虫籠というお殿様や越後屋などの身分の高い人や豪商しか持つことが出来なかった高級虫籠がありました。丸いカーブの屋根を持つものは、古くから大和型と呼ばれていました。その中でも、大名などが持つ虫籠は家紋が蒔絵で施され、”大名籠”として区別されました。
虫の鳴き声を楽しむという以外に、虫同士を戦わせる遊びも流行りました。特に「座敷鷹」と呼ばれる、蜘蛛とコバエを戦わせる遊びは人気で、上流階級の人々に親しまれていました。ハエ取り蜘蛛がハエを捕まえる瞬間が、鷹が獲物を捕らえる様子に似ていて座敷で見られる鷹ということで、「座敷鷹」と名づけられました。その中には、蒔絵を施された印籠型の虫籠に蜘蛛を飼育する人々もいました。虫籠の豪華絢爛さも座敷鷹の見どころでもあったのでしょう。
上流階級の人々に親しまれた虫遊びが発展したことで、職人の匠な技で作られた竹細工に美しい蒔絵の装飾が施された虫籠がたくさん生まれました。こういった、江戸時代から続く「虫籠」は、現在静岡県の「駿河竹千筋細工」に引き継がれています。その貴重な技術によってつくられた作品は静岡県の伝統工芸品に指定されています。
蒔絵が施された虫籠や、江戸時代に作られた虫籠は、中古市場で人気が高く高価買取が期待できます。また、共箱が一緒にございますと査定評価にプラスになります。
お買取りさせて頂く際の査定のポイントは、素材・作られた時代・蒔絵・家紋・共箱の有無・状態などです。詳細がわからない方は相談からでも結構ですので、いわの美術にご連絡ください。HPのお問い合わせフォームからお写真を頂きますと、専門の査定員が写真からお見積り致します。
家全体の御片付けで、虫籠以外にもお品物がたくさんあるという方であれば、全国出張買取行っていますので、神奈川県外の方でも遠慮なくお問い合わせください。