澄んだ空と雄大な山を緑一色で描き上げたこちらのお品物は村居正之の『比叡山』という作品です。
一見、緑色のみで書き上げている事に気付かないですよね。
村居正之は群青色のみで作品を表現することで「青い墨絵」と日本画壇で高く評価されている画家の1人です。
穏やかさと気品を兼ね備えた村居の作品は人気が高く、高価買取対象のお品物となっております。
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1947年 京都府の京都市に生まれました。小学校、中学校で恩師との出会いから芸術に興味を抱いた村居は、京都で唯一美術科のある京都市立日吉ヶ丘高校へ入学し日本画を学びました。
卒業後の1968年 村居は21歳のときに青塔社へ入塾し、文化勲章受章している日本画家・池田遙邨に師事します。
1971年 池田遙邨のもとで研鑽の積み日展初入選を果たします。そして2年後の1975年に日展で特選を獲得し翌年からは日展無鑑査となりました。
1977年から1981年までの計4年間に渡り山種美術館賞展出品し続け、1984年日本画「その明日への展望」展へ出品した後個展を開催しています。
その後も日展を中心に発表・和光ホールなどでの個展を重ね、名誉ある賞を数々受賞した村居は1994年より日展審査員を務めました。
これまでの功績が認められ2001年、2005年、2013年に紺綬褒章が授与され、現在は大阪芸術大学や岡山大学教育学部で教鞭を執り後進の指導にも尽力しています。
「青い墨絵」と評され日本画壇で高い評価を受けている村居正之の作品の特徴は「青」です。
村居の作品は群青色の明暗のみで独自の世界を表現していることが最大の特徴で、それは「初めての山を登れ」という師・池田遙邨の言葉を受け、日本画の表現に挑み続けた結果でした。
もちろん今回ご紹介している『比叡山』のように青以外の色彩を用いて表現することはありますが、端正で静謐な作風であることは全ての作品に共通しているように思えます。
村居本人も「青以外の色を感じてほしい」と語るように青一色であるにも関わらず却って実際の色を想像するような楽しみが生まれます。
また、モチーフとしてはギリシャを始めとした外国の街並み・寺社仏閣・山などを描くことが多いです。
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