九州の方ではすでに「春一番」がいたようで、
関東でも心なしか寒さもゆるみ過ごしやすい日が増えたように感じます。
春の訪れまであと少しですね。
さて、今回私は横浜そごう美術館で開催されている
『今右衛門の色鍋島-人間国宝の技と美-』に行ってきましたのでご紹介致します。
会場 | そごう横浜店 6階 |
最寄駅 | 横浜駅東口から徒歩5分 |
開催期間
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平成30年1月16日(火)~3月11日(日) 前期:1月16日(火)~2月12日(月) 後期:2月14日(水)~3月11日(日) |
開館時間
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10時~20時 入館は閉館の30分前まで(※そごう横浜店の営業時間に殉じます) ※2月21日(月)を除く毎週月曜、2月13日(火)は休館 |
観覧料 |
一般 1,000円 (800円)/ 大学生 800円(600円) ※中学生以下無料、心身に障害のある方及び付添人は無料 ※前売、20名以上の団体または、 ミレニアム/クラブ・オンカードをお持ちの方は( )内料金 |
色鍋島の文様をくり抜いた「IMAEMON」のタイトルロゴがカッコいいですね。
いわの美術でも過去に新着記事や買取事例の記事で度々紹介させていただいております、歴代今泉今右衛門の作品180点が紹介されています。
展示数は多いもののゆとりをもって展示されているため見やすく、比較的さくっと見れるので一時間程で鑑賞できると思います。
会期も終わりが近づいていたこともあり、一番混みあう昼前後の時間帯でもスムーズに鑑賞できました。
色鍋島とは
日本の有名な磁器産地の佐賀県の有田・伊万里
17世紀から19世紀にかけて佐賀藩(鍋島藩)直営の窯で製造され将軍家や諸大名への贈答品に用いられていた高級磁器です。このように一切市場には流通せず、贈答用として高級磁器を中心に製造していたため「鍋島焼」または伊万里焼の一様式であるという考えから「鍋島様式」と呼ばれています。
そして鍋島焼でも染付や青磁など様々ございますが、代表的なものが「色鍋島」です。
「色鍋島」とは、藍色の呉須で下絵を描き、本焼した後に赤、黄、緑の3色で上絵をつけたものです。
今泉今右衛門家とは
今泉今右衛門家は江戸から代々御用赤絵師を務めていた家系で、一子相伝で「赤絵」の技法を受け継いでいます。1871年の廃藩置県により一度途絶えた鍋島の技法と伝統でしたが、十代今泉今右衛門によって開かれた窯により従来の分業生産体制から一貫生産体制へと体制転換を
に取り組む今右衛門窯として重要無形文化財「色鍋島」の保持団体である「色鍋島今右衛門技術保存会」に受け継がれ、色絵磁器の造形美を追求しています。
第13代今泉今右衛門は伝統技術を受け継ぐだけでなく、「吹墨」「薄墨」「吹重ね」などの新たな技法により色鍋島の表現を拡げ、1989年に人間国宝の認定を受けました。
当代である十四代は2002年に今泉今右衛門に襲名し、「墨はじき」の技法や「プラチナ彩」を用いた近代的で華やかなデザインで新たな色鍋島の魅力を
その功績が認められ、陶芸家では史上最年少の51歳で人間国宝に認定されています。
・江戸時代の鍋島藩窯の作品180点が展示
十代から十四代までの作品がまとめて展示されることで、長年の歴史や伝統を感じられ
今泉今右衛門の歴史や技法の説明書きもわかりやすく、
・テーブルアートの第一人者・坂口恵子氏によるテーブルコーディネートの展示
今右衛門の食器で正月、ひな祭り、七夕、月見、クリスマスなどのテーブルコーディネートが展示されており、このコーナーは写真撮影可能なコーナーになっていました。
花瓶がワインクーラーとして使われています。おしゃれですね。
今泉今右衛門の歴史と歴代の陶工の作品を裏側までしっかりとみられる展示で見応えがありました。伝統を受け継ぎながらも時代の流れと共に変わっていく作風、特に十三代からガラッと作風が変わったように感じました。
特に十四代の北欧風のミニマルなデザインと墨はじきやプラチナ彩による独自雪文様の作品は非常に美しかったです。
こども用にジュニアガイドや親子で体験ワークショップなどイベントが開催されてましたのでご家族で鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
以上、横浜そごう美術館『今右衛門の色鍋島-人間国宝の技と美-』レポートでした!