桜井慶治について

略歴：桜井慶治（Keiji Sakurai）　　

日本を代表する洋画家である桜井慶治は、1919年に千葉県佐倉市に生まれました。

高校卒業後、千葉師範学校(現・千葉大学教育学部)を経て、1949年に東京美術学校(現・東京芸術大学)に入学します。

東京美術学校在学中より光風会展での入賞を重ねていた桜井は、光風会会員に推挙され同校卒業後の1956年から一年間文部省私費留学生としてフランスへ留学し、パリグランショミエル研究所でさらなる研鑽を重ねました。

この留学期間中にフランスの他に、イタリア、スペイン、ドイツなどヨーロッパを中心に遊学しアメリカ各地を周った後、1957年に帰国します。

ヨーロッパやアメリカで日本では得られない貴重な経験を重ねた新たな画境を開いた桜井の作品は帰国してすぐに日本橋三越で第一回個展を、続いて大阪高島屋で第二回個展を開催し多くの人を魅了しました。

1964年から再び渡欧し研鑽を積んだ桜井は、世界最古の歴史を持つフランスの公募展ル・サロンで銅賞を、1965年にヴィシー国際展グランプリを受賞するなど国際的評価を高めました。

その後、国内でも躍進を続け1969年からほぼ毎年百貨店で個展を開催し日展連続特選を経て、日展無鑑査、日展審査委員、後に日展参与を務めるなど日本洋画界の発展に寄与しました。これらの功績が認められ、桜井は紺綬褒章を五度受賞し、佐倉市文化功労者に選出されています。

日本洋画界の第一線で活躍し、長年のヨーロッパ取材で培った伸びやかな作風をもつ桜井は多くの人の注目する画家となりました。