ペリカンについて

　　ペリカンの歴史　　

ペリカンは1832年に宮廷画家を父にもつ化学者カール・ホーネマンによって創業されました。

独自の製造法により当初は筆記具ではなく絵の具などの製造会社「CARL HORNEMANN」として始まり、1863年に化学者ギュンター・ワーグナーが経営に参加し近隣諸国への販路を拡大、1878年に現在の社名である「ペリカン」に改め、この時にドイツで初めて品質保証の為にロゴを商標登録したことでも知られています。

ギュンター・ワグナー家の家紋である「ペリカンの母子像」をペリカン社のロゴモチーフとし、1929年から筆記具の製造に着手しました。

既にインクのトップメーカーであったペリカンは独自の開発によりモデル100型と14Kペン先の万年筆の販売を開始、ピストンノブのメカニズムの誤差は100分の1ミリという当時ヨーロッパの中でも群を抜いた精密さでした。

1930年代から50年代にペリカンは黄金期を迎え、数多くの世界の著名人や日本でも文豪や文化人から高い支持を受け現在も世界中で多くのファンが存在しています。

　ペリカン万年筆の特徴　　

・機構へのこだわり

一般的に万年筆機構には4種類ありペリカンは吸入式を採用することで、インクカートリッジと比較して3倍量のインクを入れることを可能としています。

また、吸入式はペン先からの洗浄が可能となるため、メンテナンスのしやすさも魅力です。

・豊富なカラーバリエーションと特別生産品

代表的カラー「緑縞」の他に赤、黄、青、白、黒など多くのカラーバリエーション、ペリカン万年筆の人気シリーズ「スーベレーン」と「トレド」には用途に合わせて蒔絵や螺鈿が施された特別生産品など美しいデザインをもったこだわりの製品を数多く発表しています。

・ペン先は純金製(14Kもしくは18K)

ペン先にはペリカンの心臓部といえるほどのこだわりに満ちています。

高級万年筆であるスーベレーンとトレドには全て14Kもしくは18Kの金版から成型され、ペン先にはイリジウムが用いられています。

ペン先だけで30以上の工程を経て丹念に作られており、純金を使うことで柔らかく滑らかな書き味を可能にしています。

　ペリカン万年筆の人気シリーズ　 

●定番の「スーベレーン」

王道の万年筆として安定的な人気を誇りドイツ語で「卓越した、優れた」という意味をもつスーベレーンは、その名の通りデザインと機能の両面で独自の魅力をもつシリーズです。

同軸部分には1950年にユニークな「緑縞」が特徴的なモデル400が発売されて以降、ペリカンのシンボルとして世界中で知られています。

 木材パルプを原料とした繊維質の素材で眼鏡のフレームにも採用されている素材を立方体状に固め薄くスライスして筒状にしています。

この縞模様は豊富なカラー展開がされており、日本の職人とコラボした螺鈿細工での縞模様などの限定品なども発売されていました。

スーベレーンには5種類のモデルがあり、手の大きさや用途に合わせて選ぶことができるのも魅力です。小さいものからスーベレーン300/400/600/800/1000とあり、ペン先の素材が600までが14K、800と1000には18Kが採用されておりそれぞれのニブの大きさに合わせて素材を変えることでペン先の柔らかさを調整しています。

また、シリーズの全ての製品に「ピストン吸入機構」が採用されており機密性を保ちながら

カートリッジ式の3倍量のインクを含むことができる特徴をもっています。

この他にもペン先の掃除、交換が容易なことや重さのバランスの良さ、書き味など高いスペックを誇ります。

●芸術性の高い「トレド」

宝飾細工の分野で高い技術力をもつ職人が多数存在したことでスペインの歴史的芸術品を多く残す古都トレドから名付けられた「トレド」はスターリングシルバーに芸術性の高い彫金装飾が施されていることが特徴で、マシンメイドの部分と伝統的手法による職人の細工が必要なため一本の万年筆が完成するまでに100以上の工程と1ヵ月の期間を要します。

M900とM800にはスターリングシルバーの上に24Kの上張りが施されています。

スペインのトレドの伝統的な工芸技術の精神を取り入れており完成した後、厳しい検査をパスした高品質なもののみにシリアルナンバーと職人のサインが刻印され品質の保証がされます。

大きさはM900、限定品M910はスーベレーンM800と同程度の大きさでM700と限定品M710はスーベレーンM600と同程度の大きさとなっています。 

＜スーベレーン比較一覧＞

＜トレド比較一覧＞