写真の作品は、藤城清治
『風の中の白いピアノ』レフグラフ
エディションNo.サイン入です。
藤城清治は、世界的に有名な影絵作家です。
世界でも類を見ない影絵の手法で、小人をはじめ動物などの愛らしいモチーフが作品の中から
思わず跳びだしてくるような躍動感ある作品を創りだしています。
湖のほとりで小人達は、それぞれ楽器を奏で、その音に合わせて仲間たちが楽しそうに動き出す
幻想的で、ファンタジックな風景を描いた作品です。
では、「リトグラフ」はよく耳にしますが、「レフグラフ」とはどういったものなのでしょうか?
レフグラフは、プリンターによるデジタルプリントの技術ではなく、日本の伝統工芸品である
越前和紙の表面に特殊な釉薬を施した完全にオリジナル技術による製法で、原画の色彩や質感
を高度に再現している技術です。
説明の前置きが長くなってしまいましたが、藤城清治の作品には、新しい技法を取り入れた、
このレフグラフが採用されています。
1924年の大正13年生まれ、東京都出身の藤城清治は、CMなどの起用で影絵は
たいへん馴染みがありますが、95歳にして今なお新作を作りあげ、世代を
超えて人々を魅了し、見るとなぜか心が穏やかになるそんな作品を生み出す作家さんです。
以前にこんな言葉を残しています。
『 本物の美しさは奥に隠れていて簡単には見えない。
時間をかけなければ物の本質は見えてこない場合が多い 』
失敗や挫折などの苦い経験をしてきたからこそ、大切な宝が隠されているというとても深みのある言葉です。
ゆえに国内にとどまらず海外においても、人気の高さと知名度があり、たくさんの賞も受賞
されています。一部抜粋してみました。
1956年 日本ユネスコ協会連盟賞
1980年 厚生省児童福祉文化奨励賞
1982年 文化庁芸術祭優秀賞
1989年 紫綬褒章
1995年 勲四等旭日小綬章受章
まだこの他にも受賞歴はありますが、ひとつひとつ積み重ねたクオリティの高い作品は、
常に見る側に刺激を与えてくれるのです。
また最近だと、2013年に開館した藤城清治美術館では、藤城清治の年齢にちなんでシニア割引は、
95歳以上との事。お誕生日がくるごとにシニア割の年齢が上がっていくわけで…
このアイデアも、とてもユーモアがあり面白いですね。