大阪府吹田市に工房『一城銘尺八制作』を構える小林一城氏は、樹脂製や金属製の尺八が増えるなか竹からの製造にこだわる製管師で、また自身も琴古流尺八奏者として世界的にその名が知られています。
材料となる竹の選別から始まり、油を抜いた竹材を数年かけて自然乾燥させたのち、内部に下地となる砥(と)の粉を塗り、やすりで削っては漆を塗り重ねていく。工程を重ねながら、自ら試奏を繰り返して作品を仕上げるのだそう。こうした根気と手間のかかる作業を今もなお続ける職人は年々その数が減っているといいます。
小林氏は主に1尺3寸管から2尺4寸管までの正律管(正しい音程を基準にして製管したもの。対して音程に関係なく長さに忠実に作られたものを正寸管という)の製作を手がけています。一城銘が刻まれたその作品は、音の豊かさや竹ならではのしなやかで柔らかい音色で多くの尺八奏者やコレクターから愛されています。
尺八の歴史を紐解くことは大変に難しく、それは文献史料が極端に少ないわりには俗説などが多く入り混じり、信頼するに足るだけの史料が乏しいからなのだそうです。
古代からの発達や変遷の経緯など、尺八通史を筋立てて記述するのはほぼ不可能と言われるなか、中国の唐を起源とした『雅楽尺八(古代尺八)』は尺八最古の様式とされ、古くは聖徳太子も愛用したと伝わります。この『雅楽尺八』がいつ、どこで、なぜ廃れて日本独特の現代尺八の原型である『一節切(ひとよぎり)普化尺八とも』の発生や普及に繋がったのか、その間を画する一線は残念ながら不明瞭だということです。
この『普化尺八』は徳川幕府の江戸時代約300年を通じ、虚無僧たちによって全国各地の民衆に馴染まれるようになりました。江戸時代半ばには、黒澤琴古が各地の虚無僧寺に伝わる30あまりの曲を再編したのをきっかけに、琴古流の始祖となりました。現在では、都山流とともこの琴古流が尺八の二大流派となっています。
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