高橋敬典は釜に魅せられ、『茶の湯釜』で人間国宝に選ばれた名匠です。
現代的な造形美ときめ細かな地肌を極めた気品ある作品で、数々の賞を受賞しました。
高橋 敬典 | たかはし けいてん |
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本名: 高橋 高治(たかじ) | |
1920年(大正9年)~2009年(平成21年) 享年88歳 | |
金工家 | |
受章 | 1992年 勲四等瑞宝章受賞 |
1996年 重要無形文化財「茶の湯釜」保持者(人間国宝)に認定 |
山形で生まれ育った高橋敬典は、小学校卒業後すぐに父の営んでいた鋳造業「山正鋳造所」の家業を継ぎました。
初期は茶釜ではなく様々な鋳物を制作していて、今回お買取りの『阿波踊り』はこの頃の作品と思われます。
1950年に初代 長野垤至に師事し、この頃から茶の湯釜制作を行なうようになりました。
翌年、日展に初出品した「和銑平丸釜地文水藻」が入選した事で、以後も茶釜制作一筋に打ち込み極めるようになります。
材料の鉄は砂鉄から製鉄した和銑(わずく)にこだわり、
原型から型取りする鋳型は平安後期から続く『山形鋳物』を受け継いでおり、地元の馬見ケ崎川で採集した川砂や土を用いて固めた物です。
また、装飾には鋳型に下絵を裏返して貼りつけヘラで押して模様を加える篦(へら)押し技法を用いています。
この鋳型に高温で溶かした金属を流し込み、熱が冷めやまぬうちにカナヅチで鋳型を砕き、取り出して研磨や塗装をした物が作品となります。
高橋敬典は自身の作品を制作する一方で、南部鉄器に比べ低かった山形鋳物の知名度向上にも尽力し、さらに指導者として若手の育成と芸術レベル向上にも貢献しました。
きめの細かい鋳肌が特色である山形鋳物ですが、高橋敬典の地肌の美しさは突出しており、高度な技量が示されています。
今回お買取りしたブロンズ作品『阿波踊り』は、お買取り対象ですのでご売却をお考えの場合はいわの美術までご連絡下さい。
『阿波踊り』はあまり知られていなかった作品なので、二束三文で入手した物が実は人間国宝・高橋敬典の作品であった、ということもあるようです。
さらに高橋敬典の茶釜は「敬典釜」と呼ばれ、高い評価を受けているのでお買取り価格が期待できる作品で、いわの美術でも高額の実績が非常に多いです。
そして人間国宝認定後の作品は更に高額となります。
高橋敬典の没後も続く敬典工房の作品も人気が高く、お買取りいたしております。
いわの美術では、ブロンズ像などの骨董品は勿論、茶道具を専門に取り扱う鑑定人も在籍しております。
何よりも高橋敬典の作品の買取実績が豊富ですので、安心してお任せ下さい。
お問い合わせをいわの美術スタッフ一同お待ちいたしております。