写真のお品物はいわの美術でお買取りしました、ダイヤトーン製スピーカー DS-500です。
一時的な流行に左右されず長い間良い音で聴けるスピーカーとして、高級オーディオ志向の音楽ファンに向けて1988年に発売されました。
オーディオ全盛期からアナログ~デジタルへの過渡期に成熟した技術が集結し、30年が経った現在はビンテージ・スピーカーとして愛好されています。
ダイヤトーン(DIATONE)は三菱電機のオーディオ・ビジュアル機器の登録商標で、日本を代表するスピーカーブランドの一つです。
1946年に自社ラジオに初めてダイヤトーンの商号を使用し、スピーカーの製造は旧陸軍向け余剰物資を流用したものに始まります。
1960年に発表したP-610は、NHKの放送技術自社規格に初めて合格し有名となった製品で、当時パナソニック製スピーカーと市場を二分する人気でした。
はじめはNHKと共同開発した業務用大型スピーカーが主力でしたが、1968年頃から壁掛け型スピーカーや大型ブックシェルフ型、家庭用サイズのフロアスピーカーを一般消費者向けに開発し、オーディオ市場に進出しました。
1970年に発売した中型ブックシェルフ型スピーカーのDS-251が売り上げを伸ばし、レコードプレーヤーやラジカセなどのオーディオ分野にも進出します。
1987年に三菱傘下に入った赤井電機と合同ブランドA&Gを設立し、ダイヤトーンブランドはスピーカーのみとなりました。
1990年代に入るとコンポの人気からスピーカーもごく小型が主流となっていき、1999年に三菱はカーオーディオ以外のオーディオ事業を終了し、ダイヤトーンブランドも一旦休止となりました。
2005年に高級オーディオ市場に向けて、これまでで最高価格となるDS-MA1の受注生産を始め、スピーカー市場に再び戻ってきました。
写真のスピーカー DS-500は、1988年発売のダイヤトーンの「ヒストリー・シリーズ」の一つで、
ヒストリー・シリーズはトラッド&ベーシックをテーマに、飽きの来ないデザインと高音質を追求したスピーカーを目指していました。
1980年代は各メーカーが毎年のように新製品を投入し、大型ブックシェルフ型スピーカーの市場競争が熱く、1990年代に入るとミニコンポの普及に伴って主力は小型へと移っていきます。
DS-500は2.5cmドーム型ツイーターと18cmコーン型ウーファーの2ウェイ密閉型スピーカーで、注目すべき点として2つのユニットに共通の素材を使用しています。
高分子材料の液晶ポリマーを高音と低音の振動板に採用し、剛性と内部損失による残響の低減を狙い、高音~低音まで音質と音速が均一となる「等音速2ウェイ」としてオーディオファンに支持されました。
振動板の素材というのはスピーカーの音質を左右する重要な要素で、70周年を迎えたダイヤトーンは近年も高級オーディオ市場にむけたNCV振動板などの最新技術開発を行っています。
ダイヤトーンの往年の名作スピーカーは現在もオーディオファンからの支持が熱く、ビンテージスピーカーとして中古市場で活発にお取引されています。
ビンテージスピーカーの場合、これまで使用されてきた環境や、修理履歴とその際の修理内容により、内部状態まで評価が分かれます。
外部の状態で音を左右するのがウーファー周縁部のウレタンエッジの状態で、経年劣化が見られやすく、異素材に変更してしまうと本来の音質と変わってしまうこともあり、注意したい点です。
写真のお買取りしたダイヤトーンDS-500では、ウレタンエッジ部分の劣化もなく全体的に状態良好のため高評価でのお買取りとなりました。
その他ダイヤトーン製スピーカーには、発売から年数が経過したものでも中古市場で高額のお取引が多い品番も多数あり、特に人気が高いのが2S-3003、DS-V5000、DS-5000、DS-3000などとなっており、お品物の状態により高値でのお買取りが期待できます。
ご自宅やご実家、蔵や倉庫、お店のお片付けで、ご売却をお考えのダイヤトーン製スピーカーをお持ちでしたら、ぜひ、いわの美術へお任せくださいませ。
いわの美術では骨董品・美術品を中心に、中古市場で需要の高い幅広い品物をお買取り対象としております。スピーカーを始めとするオーディオ機器と絵画、書画、茶道具など異なるジャンルとまとめてのお買取りも可能です。
お買取り査定のお申し込みは、お電話・メール・LINEにて受付しております。メール・LINEではお写真を添付いただきますと、オンライン無料査定が可能となり、大凡のお買取り可能価格帯をご提示できます。混雑時には順次ご案内となりますので、ご承知置き頂けますと幸いです。お気軽にお問合せくださいませ。